サブスクにおける離脱、解約を防ぐ方法とは?
近年、インターネットの発達や消費者意識の変化により、さまざまな業界でサブスクビジネスは急激に成長しており、EC系のサブスクもその一つです。
しかし、サブスクビジネスにはユーザーの解約・離脱という課題もあります。
自社のサブスクECを利用しているユーザーが競合他社に流出してしまうと、サブスクビジネスが失敗する確率は高まるでしょう。
本記事では、サブスクECに焦点を当てて、解約を防ぐメリットや方法、および解約してしまう理由を解説します。
サブスクの離脱・解約を防ぐには
いまやユーザーにとって身近なものになりつつあるサブスクECですが、サービス提供後に何も施策を取らなければ、ユーザーは離れてしまい思うように利益は上がりません。
ユーザーが離脱しないためには、以下のように解約を防ぐ策を講じる必要があります。
データに基づいて潜在的な解約を予測する
一般的に、利用率が低いユーザーやサブスクをダウングレードしたユーザーは、他のユーザーよりもサブスクを解約する傾向があります。
解約防止の施策を効率的に行うためには、予測機械学習(ML)モデルを使って解約率の高いユーザーを検出するとよいでしょう。
予測機械学習モデルとは、ユーザーの利用状況や背景情報などをもとにコンバージョン率を分析したり、解約リスクの高いユーザーを予測したりするシステムのことです。
解約リスクの高いユーザーを検出したら、ユーザーとコミュニケーションを図り、ユーザーが自社サブスクECの利用に際して抱えている疑問や不満を解消しましょう。
商品・サービスの使っていない機能を伝える
解約を検討するユーザーの中には、サブスクECの機能を知らなかったり勘違いしていたりするユーザーも存在します。
機能を知らないまま解約されないためにも「こんなに便利な機能がありますよ」と紹介するとよいでしょう。
例えば、ユーザーに対して「次回のお届け日をスキップできる」というサービス紹介のページを用意して、リマインドする方法が挙げられます。
また、機能が多すぎるとかえってユーザーは使いにくいと感じる恐れがあるため、サービスの量やプランを最適化することも大切です。
参考までに弊社の開発したアプリ、GoSubもスキップ機能がございます。
次回スキップボタンはお客様アカウントページにこのように表示されます。
商品・サービスの価値を提示する
一般的に、新規ユーザーに対してサービスの価値を伝える機会は多い一方、既存ユーザーに対して伝える機会は少ない傾向にあります。
価値を伝える機会が減ってしまうと、サブスクECの解約につながるかもしれないため、既存ユーザーには定期的に「働きかけ」を行いましょう。
「年間でこれだけお得」というように、このサブスクECを利用していてよかった、と自社商品・サービスの定期購入を利用しているユーザーが感じられる価値の提示が効果的です。
個人の他に家族やカップルでも利用できるようにする
サブスクECの中には、「カップルプラン」や「ファミリープラン」といった複数のアカウントで利用できるプランも存在します。
こうした複数人が利用できるプランを用意することでも、サブスクの解約や離脱を防止できる確率は高まるでしょう。
サブスクECを夫婦や親子などで使っている場合、全員の同意を得なければ解約は難しい、というユーザーの状況を想定してみると、個人プランよりも解約率は低下するかもしれません。
もちろん、露骨に解約を妨害してはいけませんが、このように解約しづらい仕組みを作ることも大切です。
特典の失効を伝える
割引やポイントなど、会員特典を提示して解約を思いとどまらせるのも解約防止に効果的です。
解約すると今までたまっていたポイントが失効してしまうことを伝えて、利用の継続を促します。
また、将来もらえるであろうポイントや割引などを具体的に示すことでも、解約の防止が期待できます。
特典の失効を伝える際は、特典を使って利用できるサービスを具体的に紹介してユーザーの購買意欲を高めるとよいでしょう。
なお、退会ではなく休会に誘導する際もこの手法は有効です。
ユーザーの声を把握する
解約する大きな原因の一つに、サービス内容への不満が挙げられます。
そのため、常にユーザーの不満や要望を把握して、サービス内容を改善する必要があります。
UIや操作性が悪くないか、支払い手続きが複雑ではないか、ユーザーの視点に立ってチェックしましょう。
提供予定のサービスを予告する
将来提供する予定のあるサービスを前もってユーザーに案内することも、解約防止に有効です。
具体的なサービス内容を紹介することで、ユーザーは契約を継続したいと感じる可能性が高まります。
例えば、「来週から対象商品が10%OFF+送料無料キャンペーンが開始」や「春から商品のラインナップがリニューアル」など、ユーザー目線に立って契約を継続したいと思えるようなサービス予告を行いましょう。
ライフイベントにも対応できるようにする
結婚・引っ越し・入院などのライフイベントを理由に、サブスクを解約するユーザーも存在します。こうしたユーザーのライフイベントにも柔軟に対応することで、サービスの成長が見込めます。
例えば、就職や結婚といったライフイベントを理由に解約する際、ユーザーにお祝いの言葉を述べることが大切です。
実際、お祝いの言葉を受けたユーザーの中には、「今回の対応を理由に解約をやめた」というケースもあるようです。
そのため、ユーザーに対する手厚い対応を忘れてはいけません。
一方で、ライフイベントをきっかけとして新たに契約することもあるため、自社のサブスクECがどのライフイベントと関係があるのか調べるとよいでしょう。
具体的な強みや弱みを把握することで、サービスの改善や開発のアイデアに生かせます。
解約理由から解決策を案内する
解約を防ぐ方法の一つに、ユーザーの解約理由をヒアリングして解決策を紹介する方法があります。
サブスクECの場合、「届いた商品が合わなかった」「思ったより商品が多く使い切れなかった」などの理由が想定されるでしょう。
具体的にヒアリングすることが難しいのであれば「よくある質問ページ」や「解約理由を紹介しているページ」を設けて、ユーザーの不安や疑問を解消する工夫が必要です。
GoSubアプリでは解約時にアンケートを表示し、解約理由をヒアリングすることが可能です。
また解約理由の記入を必須にすることも可能です。
顧客の主な解約理由
効果的に解約を防止するには、まずユーザーの解約理由を知る必要があります。
ユーザーの視点に立って考えて、その内容に応じた施策を検討しましょう。
料金が高い
サービスに対する料金が高い場合、ユーザーはサブスクの解約を検討します。
また、サービスの内容が乏しかったりお得感を感じなくなったりしても、ユーザーは料金が高いと判断します。
そのため、松・竹・梅のようにプランを多様化させることが必要です。
高額なプランとリーズナブルなプランを両方用意することで、ユーザーのニーズに応じたサービスを提供できます。
また、料金を変更してユーザーを納得させることでも不満を解消できます。
ただし、安易に料金を下げると既存ユーザーに不満を抱かせる恐れがあるため、タイミングには要注意です。
商品・サービスの良さや効果が感じられない
もっともわかりやすいサブスクの解約理由として、サービスの良さを感じてもらえていないことが挙げられます。
そのため、ユーザーと定期的にコミュニケーションを図って「このサブスクECを利用することで、ユーザーにはこのような得がある」と商品の効果的な使い方や魅力的な内容を紹介する必要があるでしょう。
ただし、自社のターゲット外であるユーザーを引き止めるために時間を費やすことは賢明ではありません。
例えば、オーガニック商品を販売しているサブスクECにおいて「オーガニックの良さが分からない、または興味がない」というユーザーに働きかけても時間とコストの無駄につながる恐れがあります。
解約しているユーザーがターゲット層であるかどうか、しっかり確かめることが重要です。
商品が余ってしまう
先述したように商品を余らせた場合も、ユーザーはサブスクの解約を検討するかもしれません。
主に、使用期限や賞味期限のある定期購入商品に多い解約理由です。
商品を余らせてしまわないように、ユーザーに効果的な使い方を発信するほか、一時休止制度を設けるなどの対策を講じましょう。
商品の配送は一時的にやめたいものの、解約以外に手段が無ければ、ユーザーに継続の意思があるにもかかわらず解約する恐れがあります。一度解約してしまったユーザーを再び契約させるのは容易ではないため、一時休止によってつなぎとめることが大切です。
また、配送期間を延長したり商品の量を減らしたり、配送のペースを調整できる機能を実装するのもよいでしょう。
過度な離脱・解約の防止は控える
過度な解約防止策は、かえってユーザーから嫌われる原因となります。
最悪の場合、法律に違反する恐れもあるため、以下の点に気を付けて解約を防止しましょう。
顧客の解約時に手間をかけさせる
解約を防止したいからといって、解約手続きを複雑にするのはやめましょう。
近年、「解約したつもりが解約していなかった」「解約方法が分からず問い合わせ先にも連絡できない」といったトラブルが問題視されています。
また、電話のみで解約を受け付ける場合や解約理由を数百字以上記入しないと解約できない場合も、ユーザーにとっては非常に面倒です。
こうした面倒な解約手続きは自社の評判を落とし、今後機会があっても二度とサービスを利用しないとユーザーに思わせてしまいます。
消費者センターに通報されて消費者庁から悪徳業者と認定される恐れもあるため、手続きは必ず分かりやすくしましょう。
特定商取引法を守る
2022年6月1日に改正特定商取引法が施行され、サブスクリプション商法の規制が課せられました。
サブスクサービスを運営する事業者は、必ずこの特定商取引法を守らなければなりません。
具体的には、サブスクを申し込む最終画面に以下の6項目を表示することを義務付けられています。
- 販売価格
- 支払いの時期と方法
- 引き渡しと提供時期
- 申し込み期間
- キャンセルや解約の条件と方法
- サービスの分量や回数と期間
表示する際は、1回目だけでなく2回目以降の条件や無期限更新や自動更新が行われる旨などを明記するようにしましょう。
これらの表示義務に違反して消費者に定期購入ではないと誤認させた場合、事業者に業務禁止命令や懲役刑など重い罰則が科せられます。
サブスクECを運営する際は、消費者庁のホームページや特定商取引法ガイドなどを参考にして特定商取引法に違反しないようにしましょう。
サブスクの離脱・解約を防ぐメリット
サブスクの解約を防ぐことで、一体どのようなメリットが得られるのでしょうか。
解約を防ぐメリットとして、以下の3点が挙げられます。
利益率アップにつながる
一般的に、新規ユーザーを獲得するコストは既存ユーザーを獲得するコストの5倍といわれます。
これを「1:5の法則」といい、安定した利益を生み出すには既存ユーザーの維持が欠かせません。
また、ユーザーの離脱が5%減ると利益が25%以上改善する「5:25の法則」も存在します。
これらの法則から、サブスクの解約防止は利益率をアップする重要な要素といえます。
商品・サービスのファンを増やせる
解約防止に注力した結果、商品やサービスが魅力的になり、既存ユーザーの顧客体験が向上する可能性があります。
サブスクを解約されないということは、それだけ既存ユーザーを満足させられているということでもあります。
既存ユーザーの満足度を向上させられれば、商品やサービスのファンになりSNSで拡散したり良い口コミをしてくれたりするでしょう。
また、既存ユーザーへのサービス向上が、結果的に新規ユーザーの獲得につながることもあります。
休眠顧客にアプローチできる
サブスクを契約しているユーザーの中には、アカウントを放置している「休眠顧客」が存在します。
休眠顧客は、サブスクを解約したり競合他社のサービスに乗り換えたりする恐れがあるため、この休眠顧客へのアプローチは非常に大切です。
アプローチの例としては、解決策の案内や解約リスクの高いユーザーの検出といった策が挙げられます。
休眠顧客をアクティブユーザーにできれば、解約を防ぐだけでなく利益を最大化できるでしょう。
弊社では休眠顧客にアプローチする方法としてKlaviyoとの連携をおすすめしております!
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サブスク解約を防ぐなら「Go Sub」の利用がおすすめ
サブスクを導入する際は、「Go Sub」を利用するとよいでしょう。
Go Subとは、Shopifyでインストールできるサブスクアプリです。
月額無料から利用可能であり、日本語と英語に完全対応している点が特徴です。
そんなGo Subには、サブスクの解約を防ぐ便利な機能があります。
Go Subには解約アンケート機能がある
Go Subの機能の一つに、解約アンケート機能があります。
解約アンケート機能とは、解約時にユーザーへ解約理由をヒアリングできる機能です。
チェックボックスを使った選択肢形式のほか、自由記述式にも対応しています。
解約理由をヒアリングすることで、サービスや解約防止策の改善が期待できます。
klaviyoとの連携が可能
klaviyoとは、メール配信とマーケティング機能を兼ね備えたツールです。
klaviyoを使うことで、ユーザーの傾向に合わせたメールを自動配信したり、ユーザーの購入履歴を分析したりできます。
Go Subはこのklaviyoと連携が可能であり、サンクスメールやクーポンの配布といった解約防止策に役立てられます。
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まとめ
ユーザーは、料金やサービス内容に不満があるとサブスクの解約を検討します。
サブスクECの解約を防ぐ際は、ユーザーの声を聞きサービスや解決策を紹介することが大切です。
過度な解約防止策に気を付けながら、サブスクの解約防止に最適なGo Subを利用して、事業の利益率を増加させましょう。
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