日本のECサイト運営で気を付けるべき法規制ー特定商取引法
INDEX
特定商取引法とは
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律のことです。特にトラブルが起きやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールが定められており、ネット通販は特定商取引法の定める「通信販売」の一種として、特定商取引法の規制対象となっています。そのため、日本でECを運営するためには、必ず特定商取引法を理解しておかなければいけません。今回の記事では、特定商取引法が定める事項の内、特に注意すべき点をお教えします。
※特定商取引法について、詳しくは消費者庁のウェブサイトをご確認ください。当社は当該法律に関する一切の責任を負いません。特定商取引法の規制項目に関する疑問点は、関連行政機関が設けるお問い合わせ窓口までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
ECサイト運営において特に注意すべき特定商取引法の規制項目
- 誇大広告等の禁止(法第12条)
ネット通販では、購入前に商品を実際に確認することができないため、トラブルが起こりやすいものです。そのため、特定商取引法は、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁止しています。例えば、「毎日飲むだけで必ず痩せられる」などの科学的根拠のない表現は違法となります。
- 未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止(法第12条の3、12条の4)
消費者があらかじめ承諾しない限り、事業者は電子メール広告を送信することが禁じられています(オプトイン規制) 。ただし、以下のような場合は、規制の対象外となります。
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- 「契約の成立」「注文確認」「発送通知」など、契約内容や契約履行に関する通知メールの一部に広告が含まれる場合
- 消費者からの請求や承諾を得て送信する電子メール広告 (メルマガ) の一部に広告を記載する場合
- フリーメールサービス等に付随した広告
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- 顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(法第14条)
以下の行為は禁止の対象となります。これらの項目は厳しく規制されており、ガイドライン(日本語)も制定されていますので、日本で通販サイトを作成する場合は必ず確認しましょう。
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- あるボタンをクリックすれば購入となることを、消費者が容易に認識できるように表示していないこと
- 購入の申込みをする際、消費者が申込み内容を容易に確認し、かつ、 訂正できるようにしていないこと
- 契約の申込みの撤回または契約の解除(法第15条の3)
特定商取引法では、消費者が契約を申し込んだり、契約をした場合でも、その契約にかかる商品の引渡しを受けた日から数えて8日間以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除(クーリングオフ)ができ、消費者の送料負担で返品ができると定められています。ただし、事業者があらかじめ、この契約申込みの撤回や解除につき、特約を表示していた場合は、特約によります。
【令和4年6月1日施行】特定商取引法の改正内容
改正特定商取引法の施策に伴い”令和4年6月1日”からは、
各社カートシステムにおける”最終確認画面”において顧客が”注文確定”の直前段階で下記の各契約事項を簡単に最終確認できるように表示する必要があります。
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_transaction/amendment/2021/notice02/index.html)
①分量 商品の数量、役割の提供回数等ほか、定期購入契約の場合は各回の分量も表示 |
②販売価格・対価 複数商品を購入する顧客に対しては |
③支払い時期・方法 定期購入契約の場合は各回の請求時期も表示 |
④引渡・提供時期定期購入契約の場合 |
⑤申し込み撤回、 返品や解約の連絡方法・連絡先、返品や解約の条件等について、顧客が見つけやすい位置に表示 |
⑥申込期間 季節商品のほか、販売期間を決めて期間限定販売を行う場合は、その申込期限を明示 |
【表示方法(定期購入契約の場合)】
【良い例・悪い例】
続いて、実際にページを作成する際の方法とポイントをお教えします。
「特定商取引法に基づく表記」ページの作成方法
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特定商取引法に基づく表記の例
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各項目ごとのポイント
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Shopifyで「特定商取引法に基づく表記」ページの作成手順
販売業者 |
株式会社ABC |
責任者 |
代表取締役 〇〇 〇〇 |
住所 |
東京都渋谷区〇〇〇〇〇〇 |
電話番号 |
03 - XXXX - XXXX 受付時間 9:00 - 18:00 (土日祝を除く) |
メールアドレス |
XXXX@XXXX.jp |
ホームページ |
ABC.jp |
商品の販売価格 |
各商品ページをご参照ください。 |
商品以外の必要料金 |
・配送料(宅急便:XX円、メール便:〇〇円) ※5990円以上の購入で送料無料です。 ・手数料(コンビニ決済:XX円、代引き:〇〇円) |
支払方法 |
クレジットカード決済・コンビニ決済・代引き・銀行振込 |
支払時期 |
・クレジットカード決済:商品注文時にお支払いが確定します。 ・コンビニ決済・銀行振込:注文後〇日以内にお支払いください。 ・代引き:商品到着時、配達員の方へ現金でお支払いください。 |
商品の引渡時期 |
ご注文日から○営業日以内に発送いたします。 |
返品・交換 |
商品到着から10日以内といたします。お客様のご都合による返品・交換は、商品が未開封であるものに限ります。 送料については、商品に欠陥がある場合には当方負担、お客様のご都合による返品・交換の場合にはお客様負担となります。 |
販売業者
法人運営の場合は法人名、個人運営の場合は個人名を表示します。通称名や屋号、サイト名ではなく、商業登記簿上に記載された名称(個人事業主の場合は戸籍上の氏名)を正しく表記する必要があります。
責任者
販売に関しての責任者名を表示します。法人は代表者名、個人は個人名を表示します。
住所
実際に活動している住所を記載します。番地を省略した不正確な住所や、私書箱などの住所のみの記載は認められていません。
電話番号
実際に消費者からの問い合わせに対応できる番号を記載します。電話対応できる時間帯も一緒に記載しておきましょう。
商品以外の必要料金
商品代金以外にかかる料金(送料、消費税、手数料など)を全て表示します。「送料を別途請求します」といった表現ではなく、具体的な金額を記載しなければなりません。また、クレジットカード決済の手数料を購入者負担にすることはできませんので、ご注意ください。
支払時期
消費者がどのタイミングで代金を支払うのかを明確にします。支払方法が複数ある場合は、それぞれいつ支払いが発生するのかをまとめましょう。
商品の引渡時期
「ご注文確認後に発送します」といった表現ではなく、具体的な日数を記載する必要があります。地域、支払い方法等により異なる場合は、それぞれ最長で何日以内かを表示します。
返品・交換
一度購入した商品の返品や交換が可能であるかどうかを表記します。返品や交換が可能である場合は、「商品の欠陥以外での返品・交換ができるのか」「返品・交換の期限はいつまでか」「送料は誰が負担するのか」を明記しましょう。
まずは「特定商取引法に基づく表記」の新規ページを作成します。
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管理画面から、「設定」 > 「法務関連」の順に移動
> 一番下に特定商取引法に基づく表記の欄がテンプレート付きであります 自社の運営方針に合わせて内容を入力 保存をクリック 管理画面から、「オンラインストア」 > 「メニュー」に移動 >ナビゲーションページで「フッターメニュー」 > 「メニュー項目を追加」の順にクリック 「legal notice」を選択し、項目名に「特定商取引法に基づく表記」と入力
リンクに作成したページを選択メニューの保存をクリック
これで、特定商取引法に基づく表記がチェックアウトページのフッターに自動的にリンクされました。
次に特定商取引法に基づく表記をストアのフッターメニューにも掲載しましょう。
管理画面から、「設定」 > 「ポリシー」の順に移動 自社の運営方針に合わせて内容を入力 保存をクリックで完了 管理画面から、「オンラインストア」 > 「メニュー」に移動 ナビゲーションページで「フッターメニュー」 > 「メニュー項目を追加」の順にクリック 「legal notice」を選択し、項目名に「特定商取引法に基づく表記」と入力し、リンクに作成したページを選択 メニューの保存をクリック
一番下に特定商取引法に基づく表記の欄がテンプレート付きであります
これで、特定商取引法に基づく表記がチェックアウトページのフッターに自動的にリンクされます。
さらに、特定商取引法に基づく表記をストアのフッターメニューにも掲載しましょう。
最後にストアのフッターで確認すると、メニューに「特定商取引法に基づく表記」が追加されたことがわかります。
これで完成です!
まとめ
今回は、日本でECサイトを運営する上で非常に重要な法律である、特定商取引法について解説いたしました。
法律を遵守した運営を行い、定められた情報を開示することは、日本のお客様に信頼してもらえるショップ作りの第一歩です。顔が見えないECだからこそ、わかりやすい表示を心がけましょう。
ECにおけるショップの開設や、特定商取引法の記載に関するご不安などありましたら、Shopify サイト構築に強みを持つ、 GO RIDEにご相談ください。