ECサイトを構築するなら事業再構築補助金!補助金額の枠組みや要件、Shopify とGo Subについても併せて解説
「金銭的な負担を抑えて事業を立ち上げたい」時に活用できる制度として、国や自治体の補助金制度があります。しかし、ECサイトの開設やリニューアルに、補助金が使えるのか疑問に思っている方も少なくないでしょう。結論から言うと、ECサイトの開設やリニューアルも、場合によっては補助の対象となり得ます。ただし、さまざまな基準や要件があるため注意が必要です。
この記事では、ECサイトの開設やリニューアルに活用できる「事業再構築補助金」について解説するほか、簡単にネットショップを開設できるサービス「Shopify」とShopifyアプリの一つ「Go Sub」を紹介します。
ECサイトの構築では事業再構築補助金を活用しよう
事業再構築補助金を活用するためにはさまざまな基準や条件がありますが、それらを遵守していればECサイト構築への補助金活用は可能です。ただし、補助対象となるためには、ECサイトの構築を目的とするのではなく、新規構築やリニューアルによって事業をどのように展開するのかを明確にする必要があります。まずは、事業再構築補助金の概要を見ていきましょう。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは、社会の変化に対応したビジネスの再構築を支援する補助金制度です。上限金額はあるものの、非常に大きな金額を受け取れるのが特徴で、大規模なECサイトを構築する場合にも事業再構築補助金の活用が可能です。
補助金額は6つの枠組みで異なる
事業再構築補助金の補助金額は6つの枠組みに分類されており、どの枠組みで申請するかによって内容が異なります。枠組みごとの補助額・補助率を以下にまとめました。
・通常枠
対象事業者 |
要件 |
補助額 |
中小企業者等 |
従業員数20人以下 |
100~2,000万円 |
従業員数21~50人 |
100~4,000万円 |
|
従業員数51~100人 |
100~6,000万円 |
|
従業員数101人以上 |
100~8,000万円 |
対象事業者 |
補助率 |
補足 |
中小企業者等 |
2/3 |
6,000万円を超える部分は1/2 |
中堅企業等 |
1/2 |
4,000万円を超える部分は1/3 |
・大規模賃金枠
対象事業者 |
要件 |
補助額 |
中小企業者等 中堅企業等 |
従業員数101人以上 |
8,000万円~1億円 |
対象事業者 |
補助率 |
補足 |
中小企業者等 |
2/3 |
6,000万円を超える部分は1/2 |
中堅企業等 |
1/2 |
4,000万円を超える部分は1/3 |
・回復・再生応援枠
対象事業者 |
要件 |
補助額 |
中小企業者等 |
従業員数5人以下 |
100~500万円 |
従業員数6~20人 |
100~1,000万円 |
|
従業員数21人以上 |
100~1,500万円 |
対象事業者 |
補助率 |
中小企業者等 |
3/4 |
中堅企業等 |
2/3 |
・最低賃金枠
対象事業者 |
要件 |
補助額 |
中小企業者等 |
従業員数5人以下 |
100~500万円 |
従業員数6~20人 |
100~1,000万円 |
|
従業員数21人以上 |
100~1,500万円 |
対象事業者 |
補助率 |
中小企業者等 |
3/4 |
中堅企業等 |
2/3 |
・グリーン成長枠
対象事業者 |
補助額 |
中小企業者等 |
100~1億円 |
中堅企業等 |
100~1.5億円 |
対象事業者 |
補助率 |
中小企業者等 |
1/2 |
中堅企業等 |
1/3 |
・緊急対策枠
対象事業者 |
要件 |
補助額 |
中小企業者等 |
従業員5人以下 |
100~1,000万円 |
従業員6~20人 |
100~2,000万円 |
|
従業員21~50人 |
100~3,000万円 |
|
従業員51人以上 |
100~4,000万円 |
対象事業者 |
補助率 |
※補足 |
中小企業者等 |
3/4(※2/3) |
従業員数5人以下⇒500万円を超える部分 従業員数6~20人⇒1,000万円を超える部分 従業員数21人以上⇒1,500万円を超える部分 |
中堅企業等 |
2/3(※1/2) |
従業員数5人以下⇒500万円を超える部分 従業員数6~20人⇒1,000万円を超える部分 従業員数21人以上⇒1,500万円を超える部分 |
申請に必須の要件
事業再構築補助金の公募要項には、3つの主要申請要件が設けられており、少なくともこれらの要件に該当する必要があります。
事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること。(※1)
事業計画を金融機関等(銀行、信金、ファンド等)や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること。(※2)
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。(※3)
(※1)各事業類型毎に別途補助対象要件を設けています。詳細については、「4.補助対象事業の 要件」をご参照ください。
(※2)金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、資金提供元の金融機関等による事業計画の確認を受ける必要があります。詳細については、「4.補助対象事業の要件 (2)【金融機関要件】について」をご参照ください。
(※3)年平均成長率(CAGR)は複利計算をもとに算出してください。他の補助対象要件について も同様です。
引用: 事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金 公募要領」
補助対象の経費
事業再構築補助金はさまざまな経費に対して使用できますが、以下の経費をメインに投資を行うとよいでしょう。
建物費
事業再構築補助金における補助対象経費区分のひとつで、建物の建設・改修・撤去・原状回復にかかる費用のことです。
機械装置・システム構築費
事業再構築補助金における補助対象経費区分のひとつで、機械設備の購入や製作にかかる経費、システムの購入・構築にかかる経費のことです。
公募要領には「事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資」を行うことが必要で「一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占める」場合には不採択となることが明記されています。つまり、建物費や機械装置・システム構築費を主な支出対象として、広告費などをメインとしてはいけないということです。ただし、事業再構築補助金は、建物費や機械装置・システム構築費以外にも、以下のような経費に利用できます。
広告宣伝・販売促進費
製品やサービスの宣伝に必要な広告の作成や運用、営業代行を利用するための費用は、対象経費となります。例えば、LP(ランディングページ)や動画広告などの作成です。ただし、企業全体のプロモーションは認められません。新規事業単体に絞ったプロモーションを行う必要があります。
研修費
新規事業を立ち上げるために必要な教育訓練や講座の受講にかかる費用は、研修費として計上可能です。ただし、研修費を計上する際には、注意しなければならないことが二つあります。一つ目は、研修費が補助対象経費総額の1/3以下となることです。二つ目は、研修費を計上する際は、事業計画書に研修名・研修実施主体・研修内容・研修受講費・研修受験者についての情報をわかりやすく記す必要があることです。
ShopifyでのECサイト構築が補助金の対象になる
ShopifyでのECサイト構築は、補助金の対象になり得ます。ただし、ECサイト構築そのものを主目的にしてしまうと、申請しても通らない場合もあるため注意です。ここでは、Shopifyの概要を解説します。
ECサイトのShopifyとは
Shopifyとは、誰でも簡単にネットショップを開設して商品を販売できる定期購入(サブスクリプション)型のECプラットフォームのことです。Web制作の知識がないユーザーでも簡単に作れるよう、ECサイトのテンプレート、ホスティングサービス、決済手段をパッケージ化しています。カナダに拠点を置く企業で、175か国で利用されており、Shopifyで開設されたショップは数百万を超えます。なお、Shopifyのストアオーナーは、オンラインだけでなくShopify POSを使った実店舗での販売も可能です。
Shopifyの特徴・機能
Shopifyの主な特徴は以下の通りです。
低コストでECサイトの運用が始められる
サイトの構築・更新が簡単
アプリが豊富で拡張性に優れている
SNS連携対応しており、集客に強い
越境ECに対応している
APIによるシステム連携で業務効率化を実現できる
クラウド型(SaaS型)サービスで最新システムが利用できる
また、Shopifyには以下の基本機能が備わっています。
<ストア機能>
オンラインストア
Shopifyのオンラインストアは、ECサイトに必要なサイト制作や決済、ホスティングができるサービスです。デザインやサイト制作の知識がない場合でも、簡単にオンラインストアが作れるようにテンプレートテーマが用意されています。
店舗販売管理用アプリPOS Lite(ポス・ライト)
Shopifyが提供する販売情報管理システム(POSシステム)です。どのプランを申し込んでも、Shopify POS LiteというPOSシステムを無料で利用できます。ECサイトの商品管理や販売データ分析だけではなく、実店舗で対面販売する際の決済にも使用できます。
<決済受け付け>
Shopifyペイメント
管理画面から有効化するだけですぐに決済の受け付けができ、申し込み後すぐに利用可能です。VisaやMasterCardといったクレジットカードでの支払いからApple Pay、Paypalなど、Shopifyではさまざまな決済方法に対応しています。
Shopifyチェックアウト
自社ストアでの販売だけではなく、InstagramなどのSNSやECモールでの販売の際にShopifyチェックアウトの使用が可能です。
<バックオフィス>
モバイルアプリ
スマホやタブレット端末から注文管理できます。バーコードスキャナーを使って注文や在庫把握ができるだけでなく、パソコンと同じ業務をスマホやタブレットからできるため、移動中でも売り上げの把握や発注といった作業が可能です。
分析とレポート
オンラインショップへの訪問者数や売り上げなど、ストアのアクティビティをリアルタイムに確認できます。またデータ分析の機能もあるため、行動レポートや集客レポートといったデータや、訪問者が商品検索のために使ったワードなども分析可能です。
Shopifyアプリストア
Shopifyアプリストアには、さまざまな拡張機能があり、ネットショップやビジネスモデルに合った機能の追加が可能です。商品ページのカスタマイズや言語翻訳アプリ、配送伝票作成アプリ、さらには定期購買ができるアプリなどがあります。
サポート
日本語でのカスタマーサポートやShopifyコミュニティフォーラムなどがあります。
<マーケティング>
Shopifyのマーケティングプラットフォームは、集客や販売を強化するために必要なデータの分析ができるため、最適なアプローチ方法を見つけることが可能です。ブログを使ったコンテンツマーケティングの強化、SEOの活用、SNS広告などさまざまな手法を使えます。また、マーケティングレポートを使えば、長期的なビジネス戦略を立てるのにも役立ちます。
Shopifyを導入するメリット
Shopifyを導入すると、以下のメリットを得られます。
低コストでECサイトの運用が始められ、プラン変更も楽に行える
手数料が安い
高いデザイン性のサイトを作れる
SNS連携が楽で集客に強い
決済手段が豊富
バックオフィス業務を効率化できる
配送や在庫管理を効率化できる
Shopifyの使い方
Shopifyには3日間の無料トライアル期間があるため、使い方のイメージがしやすくなっています。興味を持った方は、以下の手順に沿ってストアを開設してみましょう。
ストアを作成する
ストアの作成は難しいと思われがちですが、わずか5つのステップで完了します。
Shopifyストアから新規登録する
アンケートに回答
ストア名を入力する
ストアの所在地を設定する
ShopifyIDを作成する
3日間のトライアル期間中は、無料でアカウントを使用できます。トライアル期間終了後、最初の1か月間は月額150円(ベーシック・スタンダード・プレミアム)で利用可能です。
商品を登録する
ストアを作成したら、次は販売したい商品を登録します。
画面左側のサイドメニューにある「商品管理」を選択し、「商品の追加」をクリックする
商品編集画面に遷移したら、必要な情報を入力する
①商品名
➁商品説明
③商品画像
④価格設定
⑤在庫管理用のコードと在庫数
⑥配送設定
⑦商品重量
⑧関税情報
⑨オプション
⑩検索結果
サイトの外観を変更する
商品の登録が完了したら、サイトの外観を変更してみましょう。
「ホーム」へ戻り、「テーマをカスタマイズする」をクリックする
画面が遷移したら、「テーマライブラリー」からテーマストアにアクセスし、無料・有料のテーマの中から、好きなテーマを選択し追加する
カスタマイズページに移動して、サイトの外観編集を行なう
ドメインを購入する
サイトの外観編集を行なったら、サイトのドメインを購入しましょう。最初に作成したドメインとは別に、サイトに来訪したユーザーに表示するドメインを購入する必要があります。
ホームのカスタムドメインを追加するタブより、「ドメインを追加する」ボタンを押す
ドメインページに移動すると、今まで登録したドメインを確認する
今回は新規購入なので、「新しいドメインを購入する」を選択する
決済方法を選択し、ドメインを購入すれば完了
決済方法はクレジットカードかPayPalが利用できます。
ストア情報・送料の設定を行う
ストア名やストアの住所、ストアで使用する通貨などのストア情報を設定します。画面左下の「設定」を押すと、設定画面が開きます。
ストア情報の設定で変更可能な点は以下の通りです。
基本情報(ストア名・会社の正式名所・ストア業界)
ストアの住所
連絡先情報(電話番号・メールアドレス)
ストアの通貨
基準と表示形式(タイムゾーン・単位方式・重量単位・注文IDの形式)
次に、送料を設定します。Shopifyでは、各地域に応じた異なる送料の設定が可能です。設定方法は、「配送と配達」のカテゴリーから行います。
配送と配達で設定できる項目は、下記の通りです。
配送プロファイル
ローカルデリバリー
店舗受取
パッケージ
明細票
配送業者アカウント
カスタム注文フルフィルメント
プランを選んで契約する
商品を実際に販売するためには、トライアル期間中であってもプランを契約しなければなりません。方法は、設定の「プラン」から「プランを変更」ボタンを押します。プランは「ベーシック」「Shopify」「Advanced」「Plus」に分類されており、グレードが上がるほどクレジットカード手数料が安くなったり、登録できるアカウント数が増えたりといった恩恵が得られます。
Go Subならサブスクにも対応できる
Shopifyを導入するなら、サブスクにも対応しているGo Subがおすすめです。
最後に、Go Subの特徴を紹介します。
Go SubはShopifyの定期購入アプリ
Go Subは、Shopifyでインストール可能な定期購入(サブスクリプション)アプリです。定期購入のサイクルに沿って、自動的に注文を作成します。使い方はシンプルで、アプリの管理画面から既存商品に定期購入オプションを設定するだけで、顧客が定期購入を選択できるようになります。また、日本向けの配送運営などのアプリとも連携可能で、完全日本語対応です。
Go Subを使えば越境サブスクなども展開可能
Go Subを使えば、越境サブスクなどへの展開も容易です。Go Subは、商品ページや顧客のアカウントページなどの翻訳に対応しています。そのため、海外の顧客でも安心してサービスの利用が可能です。また、顧客はできるだけ自国通貨で決済しようとするため、さまざまな通貨に対応しているGo Subは、購入のハードルを下げるうえで効果的なアプリといえます。
Go Subの特徴・メリット
そして、Go Subには以下の特徴とメリットがあります。
<特徴>
月額無料で導入可能
最短5分で簡単設定
月額固定で利用できるお得なプラン
豊富な各種機能
実践的な提案と迅速なサポート
<メリット>
利便性
Go Subなら、何度も注文する必要がなく、スケジュール通りに商品を受け取れる
時間の節約
Go Subの場合、顧客は何度も商品を探して購入する必要がなく、時間を節約できる
コスト削減
Go Subは、単品で購入するのに比べて割引や低価格で提供されることが多いため、長期的にコスト削減できる
【GoSubについて】
弊社ではGoSubの新機能や活用法についても日々記事を更新中です!
まとめ
「事業再構築補助金」は、事業の再構築にかかる経費の一部を補助する制度です。申請にはさまざまな基準や要件があり、ハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、十分に検討を重ねた事業計画書を作成すれば、採択されることは十分に可能です。ECサイトの開設やリニューアルを検討している場合は、事業再構築補助金を活用してみましょう。
また、ShopifyでECサイトを構築すると、補助金の対象となる可能性があります。便利なアプリ「Go sub」もインストール可能なため、活用を検討してみてください。