日本国内でサブスクで売上が大きい業界とは 特徴と傾向
継続的に定額料金を支払うことでサービスを受けられるサブスクリプション(以下サブスク)は、いまやあらゆる分野で展開されています。パッと思いつきやすいのは音楽や動画、ゲームといったデジタルコンテンツでしょう。
しかし、その他にもサブスクで売上を伸ばしている業界があります。
この記事では、国内でサブスクの売上が大きい業界・コンテンツ、特に化粧品・美容・プロテインについて紹介します。
日本国内のサブスクで売上が大きい業界
2023年12月に株式会社矢野経済研究所がリリースした「サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2023)」によれば、国内消費者向けのサブスク市場規模(計主要7分野)は、2023年では「前年比5.2%増の約9,430億円見込」とされています。
全体としてのサブスク市場規模は今後も拡大していくことが予想されていますが、その中でも売上が大きい業界について見ていきましょう。
参考:サブスクリプションサービス市場に関する調査を実施(2023年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
デジタルコンテンツ
2023年9月に株式会社ネットプロテクションズがリリースした、600万人の会員を対象としたアンケート調査によれば「音楽」「動画」「マンガ」の3ジャンル、いわゆるデジタルコンテンツのサブスクに関して「動画」>「音楽」>「マンガ」の順で動画のサブスク利用者が最も多いことがわかっています(ネットプロテクションズ調べ)。
また、先述した株式会社矢野経済研究所のプレスリリースにも記載がある通り、デジタルコンテンツ業界は2010年代中頃から拡大しており、「サブスク=デジタルコンテンツ」という構図を想起する方は多いでしょう。
参考:「音楽」「動画」「マンガ」の主要デジタルコンテンツにおけるサブスクリプションサービスの利用実態調査 | 株式会社ネットプロテクションズのプレスリリース
ファッション・美容
株式会社ファインドスターグループが運営するWebメディア「FiNE」によると、服やファッション関連のサブスクは2021年度時点で298億円と推計されています。
また、美容に関するサブスクはコスメやスキンケア、ネイルやセルフエステなど多岐にわたり、今後さらなる成長が見込まれる業界といえます。
ライフスタイル
ライフスタイル分野については、特に家電のサブスクが急成長を見せています。
これは、コロナ禍をきっかけとして消費者の外出が減少した結果「実店舗で実物を確認してから購入したい」「ECへの信頼が薄い」という消費者に対して「一定期間、製品を使用してから利用の継続可否を決める形式」のサブスクが功を奏し、拡大したという背景が影響しているようです。
コロナ禍がある程度落ち着いてきた2024年現在でも、家電のサブスクから購入という形式には一定の人気があり、結果としてライフスタイル業界におけるサブスクの売上も押し上げているといえます。
日本国内で売上が大きいサブスク①化粧品・美容
ここからは、国内でサブスク売上が大きい分野の一つである化粧品・美容について見ていきましょう。
ニーズが高い基礎化粧品や、プチプラ・デパコス・韓国コスメといったメイクアップ商品などは、実はサブスクと相性が良く、市場規模の拡大に寄与しています。
化粧水や乳液などのスキンケア商品
前提として、洗顔や化粧を行う際に必要な基礎化粧品は消耗品であり、定期的に購入する必要があるものです。
消費者の観点からすると、乳液や化粧水など、残量が少なくなってきた頃合いに都度都度買いに行かなければならないのは面倒に感じる、という方は少なくないでしょう。
このような背景から、スキンケア商品はサブスクと非常に相性が良いのです。
メイクアップ商品
メイクアップ商品を購入する際の醍醐味といえば「自分に合った色味のリップに出会える嬉しさ」「クリスマスコフレで何が出てくるか分からないドキドキ感」「プチプラを大量に購入する楽しさ」「高級デパコスの特別感」など、アイテムの属性によってさまざまでしょう。
メイクアップ商品のサブスクはそうした属性ごとに展開しているのが特徴です。
化粧品・美容のサブスクでShopifyを使っている事業者
続いて、化粧品・美容分野のサブスクについて、ECプラットフォーム大手のShopifyを導入している事業者の事例をいくつか見ていきましょう。
KINS
「菌と生きるライフスタイルの提案」がKINSの掲げるビジョンです。
「菌ケア:健康と美しさの維持のために菌と生きるライフスタイルのこと」により、菌の状態を適切に保ち、根本的なアプローチを行うことを目指しています。
公式HPの「PRODUCTS」欄から商品を一覧できます。
商品画像の下部にある「定期」「単品」の「定期」の記載がある商品をクリックすると、商品詳細ページへ遷移し、定期購入コースについての詳細が確認可能です。
john masters organics
jhon masters organicsは、1994年、ニューヨークのソーホーで誕生した「化学物質を一切使用しない世界初のクリーンエアサロン」です。
「オーガニックコスメを通じて、人と地球の未来に貢献すること。
それが私たちのミッション。」と掲げています。公式サイトのトップページに「#定期便」というキーワードがあり、クリックするとその詳細を確認できます。また、商品ページにも、対象の場合は商品画像下部に「定期お届け便対象」の記載があるため、サブスクを使いたい方にとって分かりやすい構造です。
COSS
「肌が変わる、わたしが変わる。共感するスキンケア。」をコンセプトに掲げるCOSSは、天然由来のゲル(粘液)を活用したスキンケア商品などを販売しています。
各商品の詳細ページに遷移することで、定期購入と通常購入をそれぞれ確認可能です。
また、サイト下部の「定期購入サービスのご紹介」からは、COSSのサブスクについてより詳しく知れます。
PROHERB
「みつばちが生んだ自然の恵みプロポリスと天然ハーブからつくられた、お肌にやさしい化粧品」をコンセプトとするPROHERBは、発売から25年以上、敏感肌をはじめとした多くの方に使用されている事業です。
メニュー欄から「定期購入」の項目を選択すると、定期購入のみの商品一覧ページが表示されます。
また、商品詳細ページで定期購入を選択すると、1カ月・2カ月・3カ月それぞれの定期便を選択可能です。
BULLDOG
BULLDOGは、普通肌・オイリー肌・敏感肌などさまざまな肌タイプに合わせたスキンケア商品を提供しているブランドです。
「男性が自分の肌に自信を持てるようにスキンケアのパートナーとして支える存在になること」を目指しています。
天然由来成分と厳選された人工的な成分、双方を最良のバランスで配合した商品ラインナップが魅力といえます。
商品購入は公式サイト上からではなく、商品詳細ページからAmazonの商品ページに遷移して購入する形式です。
この際、Amazonの「定期おトク便」を利用することでサブスク利用ができるだけでなく、割引にもなるためお得になります。
日本国内で売上が大きいサブスク②プロテイン
次に、サブスクの中でも売上が大きい傾向にあるプロテインについても見ていきましょう。
女性向けプロテイン
プロテイン=筋肉増強と考える方は多いかもしれませんが、女性の健康や美しさを保つために必要な要素でもあります。
もちろん筋トレ目的としてプロテインを摂取しますが、美肌・美髪やダイエット、便秘改善など目的に合わせて適切なプロテインを摂取することもあるのです。
筋トレが目的の場合はホエイプロテイン(動物性由来)、美容を意識する場合はソイプロテイン(植物性由来)などがおすすめです。プロテインのサブスクを選ぶ際は、「目的に合った種類かどうか」「賞味期限内に飲み切れるかどうか」などに注目することが重要といえます。
バータイプのプロテイン
プロテインには飲むタイプだけではなく、食べるタイプのプロテインバーもあります。
お菓子を食べる感覚で手軽に摂取できる点が魅力といえます。
一方で、ドリンクタイプのプロテインと比較すると脂質や炭水化物が多く含まれている場合もあるため、選び方には注意が必要です。
プロテインのサブスクでShopifyを使っている事業者
それでは、プロテインのサブスク×Shopifyの事業者についてもいくつか見ていきましょう。
ご紹介する、フィットネスショップ様とGold Gym様は弊社にてストアを構築した実績もございます。
また、弊社にて開発しているShopifyで利用できるサブスクアプリ【GoSub】も導入していただいております!
【GoSub導入事例】フィットネスショップ
トレーニングマシンやエクササイズグッズ、DVDや書籍なども販売しているオンラインショップであるフィットネスショップでは、各種プロテイン商品も販売しています。定期便を利用する場合は、「注文サイクルの変更」「商品/フレーバーの変更」「スキップ/一時停止可能」「いつでも解約可能」という制度があるため安心です。
また、通常値引きがされていない商品も含めて、定期便利用中は半永久的に10%OFFとなるお得なオプションも付いています。
是非弊社の制作事例に関する記事もご確認ください!
【GoSub導入事例】Gold Gym
日本各地に店舗を展開しているGold Gymでは、トレーニングギアやアクセサリー、アパレル商品に加えてプロテインを含むサプリメントも販売しています。
商品によっては、商品詳細ページに定期購入の記載があり、月に1回や2カ月に1回などの頻度で選択が可能です。
また、こちらも10%OFF特典が付いています。
こちらのストアの制作事例も是非合わせてご確認ください!
Gold Gym様の制作事例はこちら
【GoSub導入に関するインタビュー記事はこちら】
My Fit
「一人一人にフィットするヘルスケア」「個別化したプロテイン」を提供しているMy Fitでは、それぞれの消費者専用のプロテイン定期便を行っています。
公式サイトにて、約20の質問に回答することで専用のレシピが作成され、それに基づいたプロテイン商品が定期的に届くシステムです。
anoma
anomaは「徹底的に質にこだわった植物性で高品質なプロテイン」を提供しています。
2袋ずつお届けするタイプの「新お得なサステナブルお届け」定期便と、1袋でお届けの「新お得にお届け便」という2種類の定期購入プランがあるため、都合に合わせて選ぶとよいでしょう。
以前プロテインでサブスクを行なっている企業を紹介した記事を公開しています!
気になる方はぜひこちらもチェックしてください。
【サブスクでプロテイン販売の記事はこちら】
市場規模急成長中のプロテイン Shopify X サブスク(定期購入) X プロテイン事例 5選
売上が大きい業者の共通点
ここまで、化粧品・美容・プロテインのサブスクにフォーカスして、各業界・事業者の特徴や傾向を紹介しました。
ここでは、サブスクでの売上が大きい業者に共通するポイントについて解説します。
定期購入を利用する顧客を増やしている
売上が大きい業者は、以下いずれかの方法で定期購入の利用者を増やしています。
・1ステップ型初回の購入から定期購入コースを契約してもらうタイプです。初回割引や、通常購入よりもお得な価格表示、定期購入で得られるお得さについての説明や口コミの併記などで定期購入契約者の増加を目指します。
・2ステップ型初回購入のハードルを下げ、その後消費者にLINEやDMなどを活用して働きかけることで定期購入契約に結びつけようとするタイプです。通販を行う企業の多くがこのタイプを採用しているとされています。
定期購入の解約者を減らしている
定期購入契約を解約されれば、シンプルに赤字となります。そのため、解約者数を減らすことが売上の維持・増加のポイントです。
解約者数を減らしたい場合は、「継続特典ポイントの付与」「定期購入契約の継続に対する感謝のメッセージ」など、消費者への積極的な働きかけによってお客様満足度の維持・向上に努めることが重要といえます。
また、解約を検討しているユーザー向けに、解約ページに「定期購入を継続することで得られるメリット」や「解約の理由を入力する項目」などを設置しておくのも効果的です。
解約ページの動線がわかりづらいとかえって解約の意向を強める結果になるため注意しましょう。
Shopifyの定期購入なら「Go Sub」
Shopifyを利用してサブスクを効果的にスタートさせたい場合は、Shopifyの定期購入アプリケーションである「Go Sub」がおすすめです。
月額0円(2%のサブスク販売手数料がかかります)で始められるスタータープランが設けられており、GO RIDEによるサポート・カウンセリングも利用できるため、サブスク初心者の事業者様でも安心してご利用いただけます。
弊社ではGoSubの導入事例を投稿しております。
合わせてチェックしてみてください!
【GoSub導入事例記事はこちら】
まとめ
デジタルコンテンツの拡大が著しいと思われるサブスクですが、本記事で紹介した化粧品・美容・プロテインといった業界・コンテンツもサブスクとの相性は良いといえます。
そのため、今後も市場規模は拡大するでしょう。
このような製品を販売している事業者様の中で、サブスク参入を検討している場合はGo Subがおすすめです。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
弊社ではGoSubの新機能や活用法についても日々記事を更新中です!