越境EC 海外発送に使えるアプリ4選!その特徴についても解説
国内向けの販売に留まらず、近年では越境ECの市場が徐々に広がってきています。元々は国内での販売のみを行っていたECサイトでも、越境を考慮したビジネスを展開させる動きに変わってきているところも珍しくありません。
越境ECを始める際は、ECプラットフォームであるShopifyの利用がおすすめです。越境ECでは、海外に商品を発送することから、その国の法律や規制を理解した上で海外発送の手続きを行わなくてはなりません。Shopifyなら、海外発送に使えるアプリが利用できます。
この記事では、海外発送で使いやすいShopifyのアプリや、発送時の注意点などを解説します。
-目次-
越境ECの市場は近年拡大傾向にある
近年、国内外のECサイトで越境ビジネスが拡大傾向にあります。
日本におけるEC市場規模も、2020年は12兆2,333億円、2021年の 13兆2,865億円、2022年は13兆9,997億円と増加し続けています。
増加率で見ると、2020年から2021年は8.08%、2021年から2022年にかけては5.37%という結果です。2021年にかけては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で増加率が大きく伸びました。
2022年は、コロナ収束に伴い、伸び率は鈍化したものの、今後もEC市場規模は拡大し続けると予想されます。
ここでは、海外へビジネスを広げられる上、高い成長率が期待される越境ECについて、大きな特徴を3つ押さえておきましょう。
海外の新規顧客を開拓できる
越境ECは国内だけでなく、海外の顧客にアプローチし新規開拓を図れる点がメリットの1つです。
日本製品や日本らしさを感じられる商品に、魅力を感じる海外の顧客は少なくありません。
越境ECであれば、海外の顧客が日本を訪れなくても日本の商品を購入できるため、企業側は新規顧客の開拓につながります。
また、国内のEC市場で競合他社が多い場合でも、海外のEC市場でならライバルが少なく、自社の優位性を確立できる可能性もあります。
海外のEC市場で効率良く新規顧客を獲得できれば、さらなる売上拡大につなげられるでしょう。
実店舗を出店するよりも手続きが容易
海外で実店舗を展開するケースは珍しくありません。
しかし、海外に実店舗を出店する際は現地で市場調査を行ったり、テナントを借りるための物件調査をしたりと労力がかかります。
他にも、実店舗へ商品の調達や配送、現地で雇うスタッフの教育や人件費など、時間やコストも大きく負担も増すでしょう。
ECサイトで越境に対応した店舗を開設すれば、実店舗を出店するよりも労力やコストを抑えられる上に、手続きも容易です。
現地で直接調査を行う手間もなくなるため、時間をかけずに商品の販売を始められます。
国や地域に応じて法律や規制の確認が必要
越境ECでは発送先の国や地域によって、輸出入の法律や規制、関税などへの対応が異なります。例えば、アメリカで食品や医薬品を販売する場合、「FDA(アメリカ食品医薬品局)」の承認を得なければなりません。
その国や地域で販売可能な商品かどうか、輸入が禁止されていないか、関税はいくら課されるのか、法律や規制を事前に調べて確認しておく必要があります。
ECサイトを運営する上でメリットが大きい越境ECですが、発送先に応じた対応も考えなければなりません。
海外発送に使えるShopifyのアプリ4選
越境ECで海外に向けて商品の発送を行う際は、海外発送時に利用できるアプリを使うことで、発送の手続きを簡略化できるため便利です。
ここでは、海外発送の業務をサポートしてくれるShopifyのアプリで、おすすめのものを4つ紹介します。
Ship & co
日本で2008年に登場したShip&coは、越境ECに対応したクラウド型のShopifyアプリです。日本初のシステムのため日本語でのサポートはもちろん、英語やフランス語にも対応しています。
Ship&coが連携できる配送業者は以下の通りです。
・クロネコヤマト
・佐川急便
・ゆうパック
・国際郵便
・DHL
・Fedex
Ship&coは、Shopifyのストアとデータをリアルタイムで同期させます。
ユーザーの注文情報から発送する商品のサイズや重さを入力すれば、発送処理は完了です。
送り状も素早く発行でき、発行後は追跡番号も自動で同期され、発送通知メールも自動送信されます。
Ship&coのインストールは無料です。商品の発送数に応じた従量課金制のプランか、月額プランを選択できます。
Shopifyストアの海外発送のアプリでは、使いやすさから人気が高いため、越境ECに不慣れな方にもおすすめです。
OPENLOGI
ShopifyのアプリストアからOPENLOGIをインストールし、専用フォームで申請することでShopifyのストアと連携できるアプリです。
連携により、物流業務に関係する受注処理から発送処理までを一括で自動化できます。
OPENLOGIに商品を入庫して受注処理を行うだけで、商品の梱包・発送を代行してくれるため、海外発送にかかる作業の手間を大きく減らせます。
なお、注文状況や在庫はShopifyと自動で同期される仕組みです。
OPENLOGIのインストールは無料で、対応言語は日本語のみ、初期費用やシステムの利用料は発生しません。
商品発送の利用分だけ、在庫保管料・入庫料・配送料が完全従量課金制で請求されます。
Easy Rates Japan Post
海外へ商品を発送する際、注意したいのが配送料です。
改定されるケースがある配送料ですが、Easy Rates Japan Postであれば日本郵便のサーバーとの同期により、最新の配送料を簡単に設定できます。
個別に配送料を設定する手間が省け、発送業務の効率化を図れるでしょう。
Easy Rates Japan Postでは、追加の手数料を配送料に上乗せしたり、一定の料金を超えた場合は配送料を無料にしたりと、状況に応じた使い分けも可能です。
Easy Rates Japan Postの利用料は月額9.90ドルで、7日間の無料トライアル期間も利用できます。
日本語と英語に対応しており、日本郵便を中心に活用して海外発送を考えている方におすすめのアプリです。
Easy Label Japan Post
海外用の配送ラベルを1件ずつ用意するのは、手間と労力がかかります。
しかし、Easy Label Japan Postを導入することで、Shopifyの管理画面から日本郵便の配送ラベルを出力でき、発行作業をスムーズに行えます。
ラベル発行作業の単純化に加えて、前述したEasy Rates Japan Postとの連携も可能なため、日本郵便を中心に利用する場合は優先して導入すると良いでしょう。
Easy Label Japan Postでは日本語と英語に対応しており、月に発行するラベル数で利用料金が変わります。
ライトプランはラベル数が100枚で月額14.90ドル、ベーシックプランはラベル数が300枚で月額39.90ドル、プラスプランはラベル数が600枚で月額69.90ドルです。
7日間限定で無料トライアル期間もあります。
越境ECの展開にはShopifyが向いている
豊富な機能・アプリが利用できるShopifyは、越境ECを展開していくのに向いているプラットフォームです。ここでは、Shopifyで越境ECが構築しやすい理由を5つ紹介します。
なお、Shopifyで越境ECを始める際のポイントについては以下の記事でも解説しています。
【該当記事はこちら】
・「越境ECを始めるならECプラットフォームShopifyが日本人にも使いやすい」
・越境ECで便利なShopify Market によるロケーションと在庫の割当機能 [Early Access]
アプリで海外発送に対応でき発送手続きの煩雑さが減る
通常であれば、海外発送でも関税や配送料、ラベルなどの発送に関する作業を自力で行わなければなりません。
発送する商品のサイズや重量も考慮した上で作業しなければならず、時間や手間もかかります。
しかし、前述の通りShopifyには、配送料の計算や配送ラベルの発行といった海外発送の作業に使えるアプリがいくつかあります。
それらを活用すれば作業もスムーズになり、発送業務が行いやすくなるでしょう。
多言語に展開している
越境ECを展開するなら、サイトの多言語化は必須です。
母国語が表示されない越境ECサイトでは、顧客を獲得して売上を伸ばすことはできません。
Shopifyは約50種類の言語に対応しています。アプリを利用すれば、ユーザーが選択した言語に合わせて表示内容が翻訳されるため、個別で翻訳作業を行う必要はありません。
対応する通貨・決済方法が豊富にある
Shopifyでは130か国を超える通貨に対応しており、現在のレートを自動で変換してくれる機能があります。
このため、価格を自国の通貨で換算して把握できるのがメリットです。
また、Shopifyは決済方法も豊富で、クレジットカードだけでなく電子マネーにも対応しています。
Shopifyの公式決済サービスであるShopifyペイメントをはじめ、Google PayやApple Pay、Paypal、Paidyなど多数です。
ただし、国によって対応していない決済方法もあるため注意しましょう。
自動で税率を設定できる
海外発送の際は、その国の配送料を調べて関税や税金を計算しなければなりません。
基本は発送先の国ごとに税額を算出しますが、Shopifyでは各国の税率を自動で計算して設定できます。
それぞれの税率を自動で設定できるだけでも、海外発送の業務でかかる手間を減らせます。
手動で設定するよりもミスの防止につながるため、Shopifyの利用時は税率の自動設定を行うと良いでしょう。
機能の拡張でさまざまなマーケティング施策が試せる
越境ECサイトを堅実に運営するには、顧客に対して適切なマーケティングが必要です。
Shopifyには、3000種類以上のカスタマイズ性に優れたアプリが存在します。
それらのアプリをインストールして活用すれば機能を拡張でき、さまざまなマーケティング施策を試せるでしょう。
マーケティング施策の例としては、Instagramなどで集客を行うためのSNS連携や、WebでのSEO対策が挙げられます。
SNS広告やリスティング広告を運用したい場合にも、それに対応するShopifyアプリのインストールが有効です。
越境ECにおける海外発送の注意点
越境ECでは、配送料や関税の確認と、物流でトラブルが起きた際の対策を考えておくことが大切です。
関税については、以下の記事も併せて確認してみると良いでしょう。
【該当記事はこちら】
「海外通販利用時の関税はどうなっている?関税の請求・支払い・徴収について解説!【Shopify】」
送料や関税を確認しておく
越境ECで海外発送を行う際は、配送料を国や地域ごとに確認しましょう。
また、品目によって商品に関税がかかります。
その商品でいくら関税がかかるのかは国によって異なるため、事前の調査が必要です。
関税は商品を購入した顧客が支払います。
越境ECサイトを運営する時は、商品価格の他に関税を支払わなければならない旨を明記しておきましょう。
物流トラブルの対策を考えておく
国内発送と比べると、海外発送は物流トラブルが発生しやすいといえます。
いつでもトラブルに対応できる体制を整えておくことで、万が一の場合でも対処や原因の特定をスムーズに進められるでしょう。
発送中の商品の紛失を防ぐには追跡機能を利用したり、破損防止のために衝撃に強い梱包資材を採用したりなど、ケースによって対策はさまざまです。
ShopifyのサブスクアプリならGo Sub
Go Subとは、Shopifyでインストールできる定期購入に対応したアプリです。
https://apps.shopify.com/go-subscride?show_store_picker=1&locale=ja
Go subを使えば、定期購入のサイクルに基づいて、自動で注文が作成されます。
サブスクサイクルの登録以外にも、まとめ払い機能や割引率の設定、サブスクリプションBOXなど多くの機能がGo Subに搭載されています。
多言語・多通貨に対応したGo Subは越境サブスクに向いている
完全日本語対応のGo Subですが、英語をはじめ数多くの言語にも対応可能です。
翻訳とテキストカスタマイズ機能により、アカウントページのテキストを翻訳して表示できます。
また、Go Subはマルチカレンシーサポート機能を提供しています。マルチカレンシーサポートによって、1つのストアでも複数の通貨での契約が作成でき、注文を契約した通貨で商品の変更や追加などを行えます。
まとめ
越境ECでは、海外発送の業務を行わなければなりません。
国内発送とは違い、国や地域ごとに配送料や関税が変わるため、配送先によって確認が必要になります。
海外へ商品を発送する際は、海外発送時に利用可能なアプリを活用すると作業を簡略化できて便利です。
ECプラットフォームのShopifyには、海外発送に役立つアプリが複数あるため、Shopifyで越境ECサイトを運営する場合は積極的に利用すると良いでしょう。
Go Subのアップデート情報については こちら の記事をご覧ください。
【GoSubについて】
弊社ではGoSubの新機能や活用法についても日々記事を更新中です!