越境で使用できるpayment gatewayとは?決済方法と導入のメリットを解説

by STAFF GO RIDE

近年、オンライン取引を仲介する決済サービス「Payment Gateway(ペイメントゲートウェイ)」が注目を集めています。
実店舗からオンラインショップへシフトする顧客が増えたことによるオンライン取引数の急伸が大きな要因に挙げられるでしょう。
これまで以上に安全で簡単なオンライン取引が求められている中で、このPayment Gatewayは重要な役割を果たしているのです。
この記事では、Payment Gatewayの機能や仕組み、Shopifyが公式で提供している決済サービスShopify Paymentとその他の決済サービスについて解説します。


Payment Gatewayとは

Payment Gatewayとは、インターネットを介した金融取引を仲介する決済サービスのことです。
対面販売で利用されているPOS端末のデジタル版といえるでしょう。
物理的にカードを挿入する代わりに、Webサイトやアプリにカード情報を入力します。
入力された情報を検証し、支払いを処理した後、取引について顧客と事業者の両者に確認するのがPayment Gatewayなのです。
デジタルウォレットやクレジットカードだけでなく、さまざまな支払方法に対応しています。


弊社ではShopifyで使用できる決済サービスについて解説しています!

合わせてご確認ください。

【該当記事はこちら】

 日本のShopifyでは、どんな決済サービスが使えるの?


Shopify POSと決済端末の一体化

北米では、Shopify POSが決済端末と一体化している点が大きな特徴です。
この機能により、実店舗での対面販売とオンライン販売がシームレスに統合され、リアルタイムで在庫管理や顧客情報を共有できるようになります。
また、事業者はオンラインとオフラインの両方で一貫した顧客体験を提供できます。

Payment Gatewayの概要

Payment Gatewayは、デジタルウォレットやクレジットカードだけでなく、さまざまな決済手段に対応しており、安全かつ効率的な処理や管理が可能です。
また、1つのプラットフォームで顧客と事業者、そして両者の金融機関の仲介役となります。
なお手数料は、取引の処理ごとに請求するのが一般的です。


Payment Gatewayにある主な機能

Payment Gatewayには、安全で正確、そして効率的に決済するために、以下のような機能が備わっています。


  • 暗号化機能

①オンライン決済で顧客が支払い情報を送信

②Payment Gatewayによって取引データを暗号化

③顧客と事業者、金融機関との間で送信されるデータを、盗難や不正アクセスから保護


  • 決済代行業者との接続機能

事業者が提供する顧客向け決済フロー(決済に至るまでの流れ)と決済代行業者(決済処理プロバイダー)を接続


  • 承認機能

①暗号化された取引データを、事業者の代わりに支払い処理を行う金融機関であるアクワイアラーに転送

②アクワイアラーは、取引データを顧客が利用するカード会社または関連する決済代行業者に送信

③データを受け取ったカード会社または決済代行業者は、顧客の口座残高や支払い方法の有効性など、取引内容の詳細を確認

④カード会社または決済代行業者は、取引を承認するかしないかを決定

⑤Payment Gatewayはその結果を受け取り、事業者に再度送信


  • データ収集と報告機能

①Payment Gatewayから、取引の分析や管理に役立つデータを収集

②取引履歴や返金管理などのデータを活用し、事業者による傾向の把握や決済業務の改善を実施


  • 不正利用の検出と防止機能

以下の高度なセキュリティ対策を採用し、不正の恐れがある取引を特定し、取り引きが処理されてしまう前にブロックする


①不正検出アルゴリズム

②住所確認システム(AVS)

③Card Verification Value(CVV)チェック


Payment Gatewayの仕組み・処理

ここでは、Payment Gatewayの仕組みについて、以下の通り1~7の処理順に沿って解説します。


  1. 取引の開始

・顧客は事業者のWebサイトやアプリから、欲しい商品や受けたいサービスを選択

・決済ページに進み、デジタルウォレットの認証情報やクレジットカード情報などの支払い情報を入力


  1. 決済データの暗号化

・顧客が支払いに関するデータを送信

・SSLやTLSプロトコルなどを使用してデータを暗号化

・盗難や不正アクセスから機密情報を確実に保護


  1. 事業者のサーバーへのデータ送信

・暗号化された支払データは事業者のサーバーに送信され、安全に保管

・処理するためにPayment Gatewayに転送


  1. 取引の詳細データの転送

・事業者のサーバーから暗号化された取引データを受け取る

・事業者の決済代行業者とアクワイアラーに転送


  1. 検証

・アクワイアラーは、取引データを顧客が利用するカード会社または適切な決済代行業者に転送し、承認を得る

・データを受け取ったカード会社または決済代行業者は、顧客の口座残高や支払い方法の有効性など、取引の詳細を確認


  1. 取引の承認/拒否

・確認結果を基に、カード会社または決済代行業者は取引を承認するかどうかを決定

・結果はアクワイアラーとPayment Gatewayを経由して、事業者のサーバーに再度送信


  1. 取引状況の伝達

・取引状況 (承認/拒否)を事業者のWebサイトまたはアプリに送信

・顧客に対してメッセージを表示

・取引が承認されれば、事業者は注文のフルフィルメント(商品を受注してから決済に至るまでの業務全般)を進める

・拒否された場合は顧客に通知され、別の支払い方法を試すように促される場合がある


決済代行業者との違い

Payment Gatewayと決済代行業者は、ネットショップにおけるオンライン決済の2つの重要な構成要素です。
しかし、その機能は異なります。主な違いは以下の表のとおりです。


項目

決済代行業者

Payment Gateway


役割

・資金の承認や決済を実施


・顧客と事業者、両者の金融機関との間を仲介

・支払いデータを安全に送信

・取引の承認を促進



主な機能

・口座残高や支払い方法の有効性をチェック

・取引を「承認する/しない」を決定

・顧客と事業者の口座間で容易に資金を移動できるようにする

・取引データの暗号化

・アクワイアラーまたは決済代行業者にデータを転送

・承認する/しないの応答を受信

・Webサイトまたはアプリに取引状況を通知



セキュリティ

・取引データを保護するためのセキュリティ対策を採用

・カード会員情報を安全に取り扱い、保管を保証する「PCI DSS要件」に準拠する必要がある

・不正検知アルゴリズム

・AVSやCVVチェック

・暗号化プロトコル(SSLやTLS)

などの方法で、データを保護し、不正取引などを防止



決済端末との違い

Payment Gatewayと決済端末は、ともに決済処理を促進するものですが、異なる取引環境と取引方法などに対応しています。
主な違いは以下の表のとおりです。


項目

決済端末

Payment Gateway


取引環境

・POS端末、クレジットカード端末

・実店舗やレストランなど、対面式小売環境で使用する物理的な装置

・オンライン取引を対象として設計

・ECストアのWebサイトやアプリなどに対応


取引方法

・対面取引に対応

・カードや非接触型デバイスを読み取り、関連する金融機関と通信

・領収書を印刷

・顧客や事業者、そして両者の金融機関の仲介役

・取引データを暗号化

・承認を促進し、売上処理を効率化



セキュリティ対策

・カードデータの暗号化

・PCI DSS要件への準拠

・EMVチップ技術など、カードを使用した取引のセキュリティ対策にも対応

オンライン取引のセキュリティを確保するため、

・不正検知アルゴリズム

・AVSやCVVチェック

・暗号化プロトコル(SSLやTLS)

を採用



「Shopify Payment」とは?


「Shopify Payment」は、誰でも簡単にECサイトを構築・運営できるサービス「Shopify」公式の決済サービスです。
Shopifyの管理画面から簡単に設定・導入できます。なお、ここでは以下の通り、「対応している決済方法」から「Shopify Paymentの設定手順」まで解説します。


対応している決済方法

Shopify Paymentでは、以下の通りさまざまな決済方法が利用できます。


  • クレジットカード決済

  • Shop pay

  • apple pay

  • google pay


なお、クレジットカード決済は「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」に対応しています。


利用規約には禁止されている商品・サービスがある

Shopify Paymentの利用規約では、以下の商品やサービスの販売を禁止または制限しています。


  • 酒やタバコなどの年齢制限のある商品

  • 動物や家畜、ペット用処方薬や特定の動物関連の商品

  • 自動車や自動車部品、その他の原動機付き自転車

  • 大麻商品

  • 薬物および薬物関連商品

  • 危険物

  • 人体の一部

  • 切手やキャッシュ、銀行やその他の物理的通貨またはデジタル通貨などの決済の手段

  • 医療機器および医療用付属品

  • 監視装置

  • チケット

  • 弾薬や爆発物、または銃ケースのようなあらゆる銃や弾丸の収納用品など武器の関連アクセサリー

  • 金融サービスまたはプロフェッショナルサービス

  • ヌード要素がある成人向けコンテンツ、サービスまたは商品


弊社では販売禁止品について詳しく解説しています。

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【該当記事はこちら】

 Shopifyで販売できない?禁制品の解説


Shopify Paymentの設定手順


Shopify Paymentの設定手順は、以下の通りです。

  • Shopifyの設定画面の「決済設定」をクリック

→Shopifyの管理画面の「設定」をクリック

→設定を開いたら、左側のメニューにある「決済」をクリック


  • 緑色の「Shopify Paymentを有効にする」をクリック


  • 住所や氏名などのストア情報を入力し「次へ」をクリック


  • 「アカウントの設定を完了する」をクリック

→ビジネスの種類の所で、「法人」か「個人事業主」のどちらに該当するか選択

→必要事項を入力し、「アカウントの設定を完了する」をクリック


Shopify Paymentを導入するメリット

ここでは、Shopify Paymentを導入メリットについて解説します。


  • 決済情報の確認・管理がしやすい

注文や売上、出荷在庫や返金などの決済情報を1つのダッシュボードで管理できるのがメリットです。
支払い額をリアルタイムで確認できます。
また、保留中の支払いが銀行口座に振り込まれると、メールで通知される細かな設定も可能です。


  • 決済手数料が他のサービスと比較すると安価

他のサービスと比較して決済手数料が安価なことがShopify Paymentのメリットです。カード決済の場合は、決済の度にカード会社への決済手数料の支払いが発生します。
しかし、Shopify Payment経由でカード決済をした場合は、決済手数料を安くできます。
なお、取引手数料や振込手数料、月額料金などがかからないため、ネットショップを立ち上げたばかりで資金に余裕がない事業者でも利用しやすいでしょう。


  • 審査不要で導入できる

Shopify Paymentでは、審査不要でカード決済を導入できます。一般的に、カード決済の導入には各カード会社の加盟店になる審査が必要です。
しかし、Shopify Paymentでは審査が不要なため、書類の準備などの手間が省けます。また、ネットショップを開設したその日のうちに決済を導入できるのもメリットといえるでしょう。


  • 入金サイクルが短い

Shopify Paymentのメリットは、入金サイクルが短いことです。
通常カード決済の場合、事業者は顧客が支払い手続きをした日にお金を得られるわけではありません。
決済サービスによっては、「今月の売上金額を来月の末尾にまとめて振込む」などと決められており、資金繰りは楽ではありません。しかし、Shopify Paymentは、日曜日を締め日として翌週の金曜日に振り込まれるため、入金サイクルが短く資金繰りが楽になるのです。


「SB Payment」とは?

SB Paymentとは、ソフトバンクグループ傘下のSBペイメントサービス株式会社が運営する決済代行サービスのことです。ネットショッピングなどには欠かせないクレジットカード決済などの「オンライン決済サービス」だけでなく、店舗などの対面販売でもクレジットカード決済や電子マネー、QRコード決済が利用できる「店舗向け決済サービス」も提供しています。ここでは、SB Paymentが対応している決済方法や導入メリットについて解説します。


対応している決済方法

SB Paymentは、さまざまな決済方法を用意しています。ここでは、対応している決済方法を紹介します。


  • クレジットカード決済

  • キャリア決済

  • コンビニ決済

  • PayPay(オンライン決済)

  • Amazon Pay

  • au Pay(ネット支払)

  • メルペイネット決済

  • 楽天ペイ(オンライン決済)

  • Apple Pay

  • Google Pay

  • NP後払い

  • 口座振替サービス

  • Pay-easy決済

  • 総合振込決済

  • 銀聯ネット決済

  • Alipay+

  • WeChat Pay

  • Yahoo!ウォレット

  • リクルートかんたん支払い

  • エポスかんたん決済

  • ペイパル(PayPal)

  • プリペイドカード決済

  • 電子マネー決済

  • ネットマイル決済

  • Tポイントプログラム(オンライン決済)

  • LINE Pay


「SB Payment」を導入するメリット

ここでは、SB Paymentを導入メリットについて解説します。


  • 複数の決済方法を一括導入できる

SB Paymentは、決済方法が豊富です。
SBペイメントサービス株式会社が契約を代行してくれるため、クレジットカード決済やキャリア決済、QRコード決済などが一括導入でき、それぞれの機関と一つずつ契約する手間を省けます。


  • システム構築の負担が減る

SB Paymentを導入すれば、システムを構築する必要がなく、事業者の負担を減らせるというメリットがあります。
導入費用も抑えられることから、ベンチャーやスタートアップ企業といった、資金が潤沢ではない小規模事業者でも利用可能です。


  • キャリア決済やQRコード決済でコンバージョン率が上がる

キャリア決済やQRコード決済でコンバージョン率が上がるのもメリットです。
スマホ利用者の増加に伴い、ネットショッピングの機会が増えています。
キャリア決済を導入することで、クレジットカード情報を入力することなく、ユーザーはよりスムーズにショッピングできます。
そのため、カゴ落ちの防止や購買率増加につながり、コンバージョン率が高まるのです。


  • 管理ツールで売上を一元管理できる

管理ツールを活用すれば、売上を一元管理できるというメリットがあります。
複数の決済方法を個別に契約すると、締め日や入金日が変動する場合があります。
1か月間で何度も資金を管理するのは大変です。
そこで、まとめて契約・利用できるSBペイメントサービスを利用することで、売上管理や注文数、金額設定などの手間のかかる業務を一元管理できるため、業務のスリム化が可能なのです。


  • セキュリティが厳重

セキュリティが厳重なため、安心して利用できるというメリットがあります。
2005年9月に「ISMS認証(情報セキュリティマネジメントシステム)」を取得し、クレジットカード情報保護における国際基準である「PCI DSS」も取得しました。
さらに、2008年11月には、プライバシーマークの付与事業者としても認定されているため、高度な水準を満たしているといえるのです。


「Authorize.net」とは

Authorize.netとは、オンラインや対面、および電話で行われる支払い管理を支援する、ビジネス向けのクラウドベースPOSソリューションのことです。
ここでは、Authorize.netが対応している決済方法や導入するメリットについて解説します。


対応している決済方法

Authorize.netは、さまざまな決済方法を用意しています。
ここでは、対応している決済方法を紹介します。


  • デビットカード

  • クレジットカード

  • eCheck

(紙の小切手をデジタル化した電子小切手、または「ACHダイレクトデビット」とも呼ばれる決済手段)

  • Apple Pay

  • PayPal


「Authorize.net」を導入するメリット

ここでは、Authorize.netを導入するメリットについて解説します。


  • Authorize.netを導入すると、Webサイトやモバイルアプリ、手動トランザクションなど、ビジネスに適した方法で支払い処理できる


  • クレジットカードの受け入れが容易で、支払いを確実に受け取れるようにサポートしてくれる


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まとめ

オンライン取引を安全で簡単に仲介できる決済サービス、Payment Gatewayが注目を集めています。この記事でも紹介しましたが、Shopify公式の決済サービスの「Shopify Payment」、それ以外でも「SB Payment」や「Authorize.net」も決済サービスの一つです。何を選べばよいか悩んでいる事業者も多いかもしれませんが、Payment Gatewayを選ぶ際は慎重に検討する必要があります。なぜなら、ECサイトを開設するのに、現在どのようなオンライン決済のニーズがあって、どのように進化していく可能性があるのかを理解する必要があるからです。そしてそのニーズに対応して、顧客のコンバージョン率を高められるPayment Gatewayを見つけましょう。

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