BCFM ホリデーセール攻略ガイド2024  基本対策とトレンド把握 2024年の注目ポイント

by STAFF GO RIDE

北米在住者から見た今年のBCFM 2024

BFCMは一年に一回・最大のビッグイベント

もうすぐ日本でも近年盛り上がりを見せているブラックフライデー・サイバーマンデー(BFCM)の時期がやってきますね。

BFCMとは、11月に実施される大規模なセールイベントのことです。
感謝祭の翌日に実施されるブラックフライデーと、その週末後の月曜日に実施されるサイバーマンデーの2つのセールイベントを指します。
BFCMは、アメリカや日本をはじめとする多くの国で年末商戦の大事な時期と位置付けられており、小売業界やEC業界にとっては大きな商機といえるのです。
近年では、1日だけでなく長期的なセールイベントになっています。

参考: 2022年のブラックフライデー・サイバーマンデーはどうなる?今年のECトレンドを紹介!


この期間の世界のBFCMオンライン売上は、毎年記録を更新しているような状況で、昨年2023年は、 ブラックフライデーの総売上が 98億ドル(約1兆4千億円) 、サイバーマンデーには 124億ドル(約1兆8千億円)  にまで登りました。

年々、売り手側も買い手側もこの年1度の大セール期間への準備を念入りに進めるようになっており、ECサイト運営者としては、逃してはならない機会となっています。

今回は、北米カナダ在住の筆者が、今年のBFCMに関して気になるポイントを紹介していきます。

小売の大規模なセールイベント

BFCMのブラックフライデーは、もともとアメリカの祝日である感謝祭(Thankgiving)の翌日に実施された小売のセールイベントでした。
ブラックフライデーの起源には諸説あるものの、小売業者が赤字から黒字への転換を図るために、商品を大幅に値下げして顧客を呼び込もうとしたこととされています。
今や小売にとってブラックフライデーは、新規顧客の獲得や売上増加、在庫一掃などの絶好の機会となっているのです。
なお、近年では実店舗だけでなく、オンラインストアでのセールも年々盛り上がりを見せています。


実店舗において徹夜、早朝から並んでドアをぶちやぶるように入っていく かつてのDoor Buster と言われるような光景はここ数年見られなくなってしまいましたが、その分PCや携帯の前でオンラインセールの開始を待つ人達も増えてきています。




EC市場への影響が大きい

BFCMは、EC市場にとっても大きなチャンスのシーズンです。
特に、サイバーマンデーは、オンラインショッピングに特化したセールで、電子機器やデジタル製品のセールが多いという特徴があります。
2005年に感謝祭後に急増するオンライン購入をさらに促すために始まったセールだといわれており、EC市場に大きな影響を及ぼしています。
多くのEC事業者は、この大規模セール期間を活用して、売上の最大化を図るのです。


2022年における日本の消費者を対象にした消費志向の調査

2022年にShopifyが日本の消費者2,000人を対象に実施した消費志向の調査は、以下の通りです。

日本においてもBFCM が年々定着してきているのを感じますね。

  • 2022年のBFCMの4日間で買い物をする:80%

  • BFCMなどのセール期間前にお得な情報を知りたい:59%

  • ブランドのメーリングリストに登録し、最新のキャンペーン情報を入手している:40%

  • 第4四半期の買い物のほとんどをBFCMの4日間だけで済ませる予定:42%

  • 2022年の消費額は、前年より大きくなる予定:40%

  • 2022年のBFCMで、16,500円以上の支出を予定:約25%

  • さらなる値上がりの前に、商品の購入を検討:回答者の2/3

  • ブランド側が収益を上げるためにできることは「割引の提供」:57%

  • 競合他社がより良い価格設定をしていれば、そちらに乗り換える:48%

  • より長く使えるものを買いたい:82%

  • 大きな買い物よりも、健康を向上させるために小さなものをいくつも買いたい:62%


過去の記事で、ブラックフライデー以外のセールについてもご紹介しています!


【該当記事はこちら】

ブラックフライデーだけじゃない!アメリカの主要なセール【12選】

越境ECにおける2024年のBFCMの傾向と対策

2024年のBFCMで成功を収めるためのカギは、越境ECです。越境ECでグローバル市場をターゲットとすることで、売上の最大化が期待できます。
ここでは、以下の通り、越境ECにおける2024年のBFCMの傾向と対策を解説します。


参考: 【BFCM】傾向と他社事例 2020年版


売上データと消費者の購買パターンを把握する

2024年のBFCMを攻略し越境ECでの売上を最大化するためには、過去のBFCMでの売上データと消費者の購買パターンを把握・分析する必要があります。

近年のBFCMは年末商戦の大きなイベントとなっており、開始時期が年々早くなっています。
消費者は、混雑を避けながら最大限に節約するため、繁忙期以外でお得な価格になるのを待つ傾向が強まっているのです。
このことから、購買は9月から大きく盛り上がり、ピークは10月と11月で、12月には減少していきます。
こうしたデータを分析して消費者の購買パターンや嗜好を把握し、効果的な販売戦略につなげられれば、BFCM期間中に最適なキャンペーンやプロモーションを実施できるでしょう。
結果として、売上の最大化につながるのです。


ソーシャルメディアを活用する

2024年のBFCMでは、ソーシャルメディアを活用し、企業と顧客の信頼関係や親密さを表す指標である「顧客エンゲージメント」を強化する必要があるでしょう。
SNSを利用してのクーポン配布やキャンペーンの開催といった対策が必要です。
企業は、顧客とのコミュニケーションを重視しブランドの認知度を高めれば、越境ECでの売上アップが期待できます。

2023年以降、メールとオンライン広告は減少傾向にある一方で、TikTokの影響力は年々高まっています。
TikTokのような新しいプラットフォームへの参入もひとつの手段です。
ターゲットユーザーに適したチャネルを選択することで、競合他社よりも優位に立つことができるでしょう。


価格戦略では競合との差別化を図る

2024年のBFCMで重要なのは、価格戦略で競合との差別化を図ることです。
そのためには、ユニークなプロモーションを展開する必要があります。
なかでも越境EC市場で売上高を最大化するために必要なのは、競合との価格競争だけでなく付加価値の提供です。
例えば、セット販売や期間限定クーポン、送料無料などが挙げられるでしょう。

なお、価格設定においては、消費者の購買意欲を高めるための方策を練る必要があります。


販売タイミングを最適化する

競合との差別化を図るうえで価格だけではなく、販売開始タイミングもとても重要です。

競合による類似商品のBFCM セール開始タイミングが早いとそれと同時に初速ユーザの刈り取りが起きてしまうため、その後の広告やキャンペーンの効果が減少します。

業界毎にBFCM の一般的なセールタイミングは異なるので、自社の商品がどのカテゴリにいるのかを把握して キャンペーン計画を立てましょう。

例えば、一般家電、ガジェット系の製品はBFCMタイミングが年々早くなる傾向にあります。

11月の初旬にはBFCM の広告やPre Sale の告知が始まることが多いので、BFCMセールタイミングが早いカテゴリにおいては潜在カスタマーの刈り取りが起きないように注意する必要があります。




キャンペーンの活用

2024年のBFCMでは、効果的なキャンペーンの展開が成功のカギといえるでしょう。
ここでは、以下の2つのキャンペーンについて解説します。


  • SNSキャンペーン

SNSでタイムセール情報を配信したり、プレゼントキャンペーンを開催したりして、顧客エンゲージメントを高めます。
そして、ハッシュタグを活用して、キャンペーンの認知度拡大を図りましょう。


  • インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーに依頼し、BFCMのプロモーションを行います。
フォロワーに対して限定クーポンや特典を提供し、広範なリーチ(Web広告の到達度を指し、多く獲得することで認知の拡大やフォロワーの増加につながる)を得ることができます。


メールマーケティングを行う

2024年の越境ECにおけるBFCM攻略では、メールマーケティングは最も重要な対策の一つです。

BFCM 期間中は広告出稿も急増しCPM も大きく上がる傾向にあります。


そんな中でリピート購入および新規購入を促すメールマーケティングはもっとも有効なチャネルと言うことが可能です。


顧客の興味関心や過去の購買履歴に基づいたセール情報の提供、また特別な割引の実施などによって、売上を最大化できます。
BFCM期間中であればなおさら、効果的にメールマーケティングを展開し、越境ECにおける競争力を高める必要があるのです。


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Klaviyo の各業界毎の平均開封率はこちらから確認できます。



メーリングリスト目標値

これらの対策もメーリングリストがあってそこからの購入となりますので、BFCMまでにいかに効率的なメーリングリストの獲得ができるかが鍵となっています。BFCM対策は1日にしてなるものでは無いので、6ヶ月以上前から目標メーリングリスト数に向けて対策を練っていくことをGO RIDE ではお勧めしています。


メーリングリスト配信タイミング

BFCMは言葉のとおりBlack Friday Cyber Monday を指しています。

価格が重要な意思決定要素になりやすい中古品業界などでは下記のような段階でセール設計をすることがあります。 刈り取りと競合の割引率を見ながら意思決定をしていきますので一概には言えませんが、一般的に割引率の変化はFinal Saleに近くなるほど大きくなります。

売れやすい商品が Pre BFCM Sale, Black Friday Sale の早い段階で売れてしまうことも要因のひとつです。


Pre BFCM Sale

Black Friday Sale

Cyber Monday Sale

Final Sale



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配送の円滑化を図る

BFCM期間中に配送の円滑化を図ることも、売上を最大化するための重要な要素です。
迅速な配送サービスの提供は、顧客の購買意欲を高めます。

特に越境ECの場合、配送コストや時間は購入の可否を決める大きな判断材料となるため、効果的な配送戦略が必要となるのです。

配送についてはBFCM期間中は混乱が予想されるためカスタマサポート体制の拡充や事前のルール決め(返金対応、返品対応等)も重要です。


サイトのUXを最適化する

2024年のBFCM期間中に売上の最大化を実現するためには、サイトデザインの改善が必要です。
特にUXを最適化し、顧客にとって使いやすいサイトにする必要があります。
越境ECでは、ローカライズされた言語設定やデザインが重要です。
注目度の高い商品を見やすくするなどして、顧客に円滑な購買体験を提供しましょう。


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CVR向上に効果的!ECサイト制作で気を付けるべきUI/UXのポイントを実例を交えて解説します。

リターゲティング広告を導入する

2024年のBFCMで越境ECの売上最大化を実現するためには、リターゲティング広告の導入がカギといえるでしょう。
リターゲティング広告とは、過去にWebサイトを訪れた顧客に対して広告を表示する手法です。
顧客の行動履歴を基に広告を表示するため、興味関心を持っている可能性が高い顧客に直接アプローチできます。
そのため、一般的なバナー広告よりもクリック率やコンバージョン率が高くなるのが特徴です。

ブランディングに合わせた、セール内容の多様化

競争が激しいBFCMでは、他の店舗と差別化するために魅力的なオファーを作成することが必要です。
そんな中、セールの内容の多様化も進んできています。

一番メジャーでよく見られるのは、BFCMの数日間、Sidewideまたは限られた商品の大きな割引ですね。
特に、電化製品、アパレル、家具、玩具の分野では大きな割引が見られる傾向が強く、競争も激しくなります。

コスメ、美容の分野でよく見られるキャンペーンとしては、ギフティングも挙げられます。
例えば、「$200以上購入したお客様にはギフトボックスをプレゼント!」等。
筆者もこれで昨年、コスメブランドで割引で商品購入+ホリデーシーズンギフトをゲットしました。

その一方で、 Anti-Black Friday のような、ブラックフライデーのラッシュ購入に反対するブランドも見られます。
これは、環境に配慮したエシカル系のブランディングを行っているストアでよく見られます。

カナダ発のコスメブランドThe Ordinaryでは、近年数日間だけのセールではなく、1〜2ヶ月間の長期のセールを、「Shop Slow(ゆっくりお買い物をしよう)」というスローガンで打ち出しています。
顧客としては、セール期間中ゆっくりと吟味しながら買い物ができ、売り手側も注文が分散され一気に膨大な量の注文をさばく必要がなくなるため、負担が減るという利点があります。


また、エシカルに力を入れているブランドでは、ホリデー期間中割引などは一切行わずドネーション(寄付)や募金を強化する、といったキャンペーンも少数派ながら見られます。

例えばカナダ発のエシカルアパレルブランド KOTN は昨年、セール期間中の売上をエジプトの地方に学校を設立するために募金する、という活動を行っていました。
先進国で増えているエシカルな消費者にとっては魅力的な活動と言えます。


大きな割引だけでなく、ブランドの色・ターゲット顧客にあった魅力的なキャンペーンを開催できるとよいでしょう。

BNPL(Buy Now Pay Later) の伸び

去年のBFCM、今年のこれまでの動向として、Buy Now, Pay Later(後払い)の伸びが顕著となっています。
北米では、KlarnaAffirmAfterPaySezzle等が主要なBNPLプロバイダーとして挙げられ、 去年のホリデーシーズンには、166億ドル分が後払いを利用して購入され、これは前年から 14%の増加  となりました。

ホリデーシーズンはより多くの消費者が一気に高額な買い物をするこが増えていることに加え、世界的な景気後退・インフレにより、消費者の後払いの需要が今後もさらに増加していることを想定すると、ホリデーシーズンに向けて後払い決済の機能を導入するのも重要になってくると言えます。

モバイル利用の増加

2023年のホリデーシーズンは、 モバイルからの購入額も過去最高となり、デスクトップからの購入を上回っていたと いうデータがでており、より一層モバイルファーストのストア設計が重要になってくると言えます。
モバイルスクリーンでの最適化はキャンペーン用ページでもしっかりと行いましょう。

BFCMを実施した方が良い理由

日本でも、大手企業などを中心にBFCMの大規模セールが開催されるようになりましたが、まだ開催に踏み切れない企業も少なくありません。
ここでは以下の通り、企業が今後BFCMを実施した方が良い理由を解説します。


売上を伸ばせる

BFCMに対する傾向の把握と対策を実施した上でセールを開催すれば、売上を伸ばせるでしょう。
なぜなら、BFCM期間の顧客は購買意欲が高いため、初回購入数が増える傾向にあるからです。
具体的には、ブラックフライデーやサイバーマンデーで検索をかけた顧客が、偶然たどり着いたECサイトで、会員登録をし商品を購入するといった流れが期待できます。


競合サイトへの既存顧客の流出を防げる

BFCMは、小売業界だけでなくEC業界でも同時期に開催されるセールイベントです。
したがって、競合サイトがすでにBFCMを開催しているケースは十分考えられます。
これまで自社の顧客だった人が、BFCMをきっかけに同じ商品や類似商品を取り扱っている競合他社のECサイトを見つけ、商品を購入してしまう恐れもあるのです。
したがって、競合サイトへの既存顧客流出を防ぐためにも、BFCMのような業界イベントには積極的に参加する必要があるでしょう。

北米消費者の視点

筆者の私も、ホリデーシーズン、特にBFCMの期間中にお買い物をする一消費者です。
ホリデー用のギフトだけではなく、家具家電などの大きな買い物や、美容グッズ、洋服のまとめ買いなど、多くの消費者が数ヶ月前から「BFCMセールで買うものリスト」を作っています。
そして、セール開始したタイミングで一気に購入を進めるのは一般的です。

私も実際に、すでに買い物リストは作り出していて、買いたいものがあっても「ブラックフライデーまで待つか〜」という感じで買い控えてリストに書き留めています!

Shopifyの越境サブスクならGo Sub

Go Subとは、Shopifyでネットショップを開設した事業者向けの定期購入(サブスク)アプリのことです。
さまざまな言語や通貨に対応しているため、Shopifyの越境サブスクが簡単にできます。
Go Subは、顧客が購入に至るまでのハードルを下げるうえで非常に有効なのです。
例えば、商品の価格が自国通貨で表示されていなければ為替レートの確認と計算が必要になり、面倒に感じた顧客はサイトから離脱してしまう恐れがあります。
しかし、自動で価格を自国通貨に計算してくれるGo Subなら、海外の顧客もストレスなくサービスを利用できるのです。


GoSubに関するお問い合わせやアップデートはこちらをご確認ください。



まとめ

BFCMはアメリカ発のセールイベントですが、近年では日本をはじめとする多くの国で大規模なセールイベントが開催されています。
今や小売とEC業界にとっては、新規顧客の獲得や売上増加などが見込める絶好の機会となっているのです。
2024年も間もなくBFCMの時期を迎えます。
このBFCMで成功を収めるためのカギは、「越境EC」だといえます。
なぜなら、1年のうちで最も顧客の購買意欲が高まるBFCMにおいて、グローバル市場を狙うことが売上の最大化につながるからです。
越境ECでセールイベントをスムーズに開催するためには、必要に応じて機能の追加などを含めたさまざまな対策が必要になります。
しかしその分、BFCMなどの業界全体のセールイベントは、その時期だけでなく中長期的な売上増加につながる可能性もあるのです。
この記事で紹介したBFCMの傾向と対策を参考にして、規模を問わず可能な限りBFCMを開催してみましょう。

なにかお困りのことがあれば、日米両方のマーケットに知見のあるGO RIDEにぜひご相談を!

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