【2026年最新版】米国におけるECストア訴訟リスクとShopify上での対策まとめ
アメリカでのプライバシー法といえば、代表的なのはCCPAですよね。弊社でもこれまで解説してきました。
しかし、近年増加している米国での訴訟トレンドをみてみると、CCPAに対するコンプライアンス対策だけでは、不十分な可能性があるのです。大企業だけではなく、中小企業でも狙われるリスクのある、アメリカの現代ケースから、それに対する対策方法についてこの記事で解説します。
目次
1. 米国におけるプライバシー訴訟のトレンド
現在、米国のECストアをターゲットにした集団訴訟が増加しています。何が起こっているのか、詳しく見ていきましょう。
従来の常識(CCPA/CPRA基準)
プライバシー法として、アメリカで最も厳格とされてきた代表的なものが、CCPA。
CCPA(= California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州消費者プライバシー法)
これは、カリフォルニアの州法ですが、これで守れている消費者の権利は、以下となっています。
- 知る権利:企業がどのような個人情報を収集・使用・開示・販売しているかを知る権利。
- 削除する権利:企業が収集した個人データの削除を要求する権利。
- オプトアウトの権利:個人情報の「販売」や「共有」を拒否する権利。
- 非差別の権利:これらのプライバシー権を行使したことを理由に、企業からサービス拒否や不当な差別的扱いを受けない権利。
このような州法が、いくつかの州で展開されているのが、アメリカのプライバシー法でした。
そしてこれらは、基本的に「オプトアウト(事後拒否)」方式。
一方で、世界的にみて最も消費者を守る規制が厳格とされているのが、EU/EEA、UK です。
GDPR(=General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)
GDPR では、CCPA と同様に消費者の知る権利や、データの開示・削除の権利を保証するよう定められております。
ただ、CCPAとの大きな違いとして、GDPRでは、ユーザーがCookieを承認するまで、マーケティング・分析用のユーザーデータ(Cookie)を取得することが認められていません。
つまり、GDPR では「事前拒否」方式です。
現在の現実 訴訟リスクが挙がっている規制
現在多発している訴訟は、CCPAではなく、1960年代に制定された「CIPA(カリフォルニア州通信傍受法/盗聴法)」や、連邦法の「ECPA(電子通信プライバシー法)」を根拠にして、Cookie の取得が「ハッキング」「盗聴」であるという主張です。
これにより、従来の「いつでもオプトアウトできるから大丈夫」という理屈が通用しなくなっています。
2. ストアの状況確認
では、まずは現状確認をどうやって行えばよいのか、解説します。
もし、既にCookie 関連のアプリを使用しているストアの場合、まずはそのアプリのカスタマーサポートに問い合わせ、「きちんとセットアップできているか確認してほしい」と聞いてみることです。
アプリを使用しておらず、自分で確認する必要がある場合、以下の方法で確認が可能です。
- Shopify 管理画面から【設定】>【顧客イベント】を開く
- そうすると、以下のようにサイトに入っているピクセルの情報を確認することができます。
- そこから、確認したいピクセルの【...】を開き、【テスト】
- これで、「Pixel helper」とともにサイトのプレビューが開き、画面上でそのピクセルがロードされたか、されていないか、というステータスが確認できます
*設定している地域や既に選択されているCookie の状態によって、結果が変わります。
3. ストアのより安全なセットアップ方法について
では、このような状況で米国での販売をしているストアはどのような対策が必要なのでしょうか?
Shopify標準機能の利用 Cookie バナーとオプトアウトページ
Shopify には、標準機能としてCookie バナー、オプトアウトページの設定機能が搭載されています。そして、これらを表示させる地域も国だけでなく州ごとに設定が可能です。
「クッキーバナーを有効(アクティブ)にしている地域」においては、ユーザーが同意する前(未回答状態を含む)は、非必須データ(マーケティング・分析用Cookie)の収集を行わないようになっています。
そのため、訴訟のリスクを抑えたい場合は、US においてもCookie の表示をONにしておいたほうが、安全、と言えます。
そして、このShopify 側で持っている顧客のCookie 同意に関するデータを、きちんと連携できるアプリ、販売チャネルであれば、そのままこのデータが反映されます。(Google、Metaの販売チャネルアプリや、Klaviyo など)
しかし、このデータを自動で反映してくれないサードパーティのアプリに関しては、コードをテーマに直接埋め込むのではなく、管理画面よりカスタムピクセルの追加が必要となります。具体的には、それがマーケティングに関するピクセルの場合、「ユーザーがマーケティングCookie に同意している場合にのみ、このコードを読み込む」というような処理を行います。
では、ShopifyのアプリストアにあるCookie関連のアプリは、何が違うのか?代表的なアプリである、「Consentmo GDPR」を取り上げて、解説いたします。
Cookie 関連有料アプリ
まず、一番はCookie やピクセルに関する知識があまりないストア管理者の方であっても、比較的セットアップが行いやすく、かつヘルプのドキュメントも充実しているという点が挙げられます。
更に困ったときにはアプリのカスタマーサポートが助けてくれたり、セットアップがきちんとされているかテストをしてくれるため、もちろん100%安心とは言えませんが、非常に心強いと言えるかと思います。
また、それ以外にも、以下のような細かいけど、助かる、というような設定が可能です。
- 導入されているCookie の一覧すべてをリスト形式の見やすい形で閲覧可能
- Cookie 同意に関する履歴の保持期間が12ヶ月と、長い (Shopify だと30日で履歴が消えてしまう)
- US 以外の国においても、プライバシー関連で導入が推奨されているポリシーページを提案してくれて、それらのページの自動生成が可能
などなど
便利なアプリですが、月額料金がかかるものがほとんどのため、ストア管理者のCookie、Pixelに関する知識、弁護士の方からのアドバイス、費用面などを諸々考慮し、アプリの導入を検討されることをおすすめいたします。
4. 抑えておきたい対策
訴訟リスクを最小限に抑えるため、2026年現在推奨される具体的な対策は以下の通りです。
対策①:Shopify標準機能の活用(コスト:無料)
最もシンプルかつおすすめな防衛策は、米国(US)に対してもクッキーバナーを「有効(ON)」に切り替えることです。これだけで、連携ピクセルの「同意前発火」が停止するため、訴訟に対するリスクを軽減できます。
また、オプトアウトページがきちんと提示されることも、確認しましょう。
【設定】>【お客様のプライバシー】>【データ共有オプトアウトページ】

対策②:カスタムピクセル(GTMや独自コード)の監査
アプリ経由ではなくカスタムでJavaScriptを記述して導入している「カスタムピクセル」がある場合、Shopifyの同意シグナルを無視して即時発火する記述になっているケースがあります。必ずShopifyのユーザーの同意データと連動されるように記載しましょう。
また、これらのカスタムコードはテーマコードに直接書き込むのではなく、Shopify 管理画面の【設定】>顧客イベント>カスタムピクセルの中に格納するようにしましょう。
③有料アプリ(Consentmo GDPR 等)の導入
Cookie の管理において自信がない、または特にEU向けに対策を手厚くしたい、という場合は有料アプリを導入するのがおすすめです。
5. まとめ
機能はShopify から提供されているものの、Cookie やピクセルに関しては、実際どうやってセットアップをすればいいのかが少し分かりづらいかと思います。
お困りの際は、まず一度ご相談ください。
※法的な責任においては、弊社は一切おいかねます。あくまでも一般論として解説しておりますので、訴訟のケースや最終的な法的判断のご相談については法律の専門家へご相談ください。