【2026年最新】ShopifyでのDDU・DDPとは?越境ECにおける関税対応の違いと設定方法を解説
Shopifyで越境ECサイトを構築・運用する際、避けて通れないのが「関税」の取り扱いです。
「関税は誰が支払うのか?」
「購入者にいつ、どのように請求されるのか?」
「Shopifyではどこまで設定できるのか?」
こうした疑問を解決する鍵となるのが 「DDU」と「DDP」 という考え方です。
本記事では、Shopifyで越境ECサイトを構築している前提で、DDU・DDPの違いからShopifyでの具体的な運用パターン、さらにはストアの成長フェーズ別のおすすめ対応まで、実務目線でわかりやすく解説します。
※本記事は2026年1月時点のShopify仕様をもとに記載しています。
目次
Shopifyで越境ECを行う際に押さえるべき関税の基本

関税とは、商品が国境を越えて輸入される際に、輸入国側で課される税金のことです。
日本のShopifyストアから海外顧客へ商品を発送する場合、商品は「輸入品」として扱われ、現地税関で関税・輸入税(VATや消費税など)が発生する可能性があります。
重要なポイントは以下の2点です。
関税は「輸入時」に発生する
国・商品カテゴリによって税率が異なる
Shopify側で「関税が発生するかどうか」を勝手に決めているわけではなく、あくまで各国の税関ルールが基準になるという大前提を必ず押さえておきましょう。
DDUとDDPの違いとは?
関税対応を考えるうえで最も重要なのが、**「誰が関税を負担するのか」**という点です。
ここで登場するのが、DDUとDDPです。
1. DDU(Delivered Duty Unpaid|関税未払い)
関税の支払い者:購入者
支払いタイミング:商品到着時(または通関時)
Shopify上での特別な設定:不要
特徴:運用は楽だが、受取時に関税請求されるため「聞いていない」というクレームになりやすい。
2. DDP(Delivered Duty Paid|関税込み)
関税の支払い者:ストア(※購入時にお客様から徴収、またはストアが負担)
支払いタイミング:商品発送時(配送業者のアカウントで精算)
Shopifyでの設定:必要(Shopify Marketsや配送設定)
特徴:顧客は受取時にお金を払う必要がなく、スムーズな購入体験を提供できる。
比較表:DDU vs DDP
項目 |
DDU (未払い) |
DDP (支払い済み) |
関税負担 |
購入者 |
ストア |
支払う場所 |
玄関先 (到着時) |
チェックアウト画面 (購入時) |
初期導入 |
簡単 |
やや複雑 |
カゴ落ち |
起きやすい |
起きにくい |
顧客体験 |
△ (トラブル注意) |
◎ (安心) |
どちらを選ぶべき?
-
DDU(購入者負担)が向いている場合
越境ECを始めたばかり、またはテスト販売段階
対象国が多く、まずは運用をシンプルにしたい
利益率が低く、関税コストを吸収しづらい
商品単価が低く、免税ライン(デミニマス)以下になりやすい
-
DDP(ストア負担/徴収)が向いている場合
海外売上がすでに伸び始めている
関税理由での「カゴ落ち」や「受取拒否」が課題になっている
ブランド体験・安心感を重視したい
Shopify Paymentsを利用しており、機能を使える環境にある
関税額を左右する「HSコード」と「デミニマス」
DDP運用(事前徴収)を行う場合、正確な関税計算のために以下の知識が不可欠です。
HSコードとは?
国際的に共通で使われる「品目分類コード(6桁〜)」です。このコードによって関税率が決まります。
Shopifyでは、以下の手順で設定可能です。
Shopify管理画面 > 商品管理
商品詳細ページ > 配送セクション
**「HSコード」と「原産国」**を入力
DDP運用を行う場合、この設定は必須です。未設定だと正しい関税計算ができません。
デミニマス(少額免税制度)
一定金額以下の輸入品に対して、関税が免除される制度です。
アメリカ:800 USD以下なら原則免税
オーストラリア:1,000 AUD以下なら原則免税
この金額以下の注文であれば、DDUで送ってもお客様に関税がかからないケースが多いため、配送先の国のデミニマスを把握しておくことは非常に重要です。
ShopifyでのDDU・DDP運用パターン3選
実務では、大きく分けて3つのパターンがあります。
パターン1:DDU(購入者が到着時に支払う)
最もシンプルな方法です。
設定:特別な関税設定は不要。通常の海外配送設定のみ。
流れ:ストアは発送するだけ → 配送業者が現地で通関 → 配達時にお客様へ関税を請求。
注意:関税の存在を知らない購入者とのトラブル防止のため、ポリシーページ等への記載が必須です。
パターン2:DDP①(購入時に関税を徴収)
Shopifyの標準機能(Shopify Markets)を使い、チェックアウト時に関税・輸入税を自動計算して徴収する方法です。
-
主な条件:
Shopify Paymentsを利用している
関税徴収設定をONにする
すべての商品にHSコード・原産国が設定されている
DDP対応の配送ラベル(DHL / FedEx / UPSなど)を使用する
メリット:購入時点で支払総額が確定するため、お客様の安心感が高く、カゴ落ち防止に効果的です。
コスト:取引額に対して所定の手数料が発生します(プランにより異なる)。
パターン3:DDP②(関税はストアが全額吸収)
購入者からは関税を別途徴収せず、**商品価格に関税分を含める(または利益から捻出する)**運用です。
設定:関税の徴収設定はOFF。
訴求:「All Duties Included(関税込)」「No Extra Fees(追加費用なし)」と大きくアピールできます。
注意:商品価格が高く見えやすいため、マーケティング上の工夫が必要です。
※関税が商品価格に含まれていることを商品ページやFAQに明記しておきましょう。購入者が支払総額を事前に把握できるため、安心感のある購買体験を提供できます。
ストア規模別|おすすめの関税対応
いきなり完璧なDDPを目指す必要はありません。フェーズに合わせて切り替えましょう。
1. 立ち上げ初期・テスト販売期 👉 【DDU】
理由:設定が簡単で、システムコストや手間がかからないため。
まずはDDUで市場反応を見ましょう。ただし、FAQでの案内は徹底してください。
2. 売上拡大・本格展開期 👉 【DDP(徴収または吸収)】
理由:広告費をかけ始めると「カゴ落ち」が機会損失になります。CVR(購入率)を改善するためにDDPへの切り替えを検討しましょう。
特定の売れている国(例:アメリカ、台湾など)だけDDPにする、という柔軟な運用もShopifyなら可能です。
購入前に必ず伝えたい関税の注意点(DDUの場合)
DDU運用の場合、事前案内がないと「詐欺だ!」といったクレームや、高額な関税による受取拒否(返送コストはストア負担)につながります。
おすすめ掲載場所
配送ポリシーページ
商品説明文の末尾
カート画面、またはチェックアウト画面下部
記載例(英語)
Please Note:
Import duties, taxes, and charges are not included in the item price or shipping cost. These charges are the buyer's responsibility. Please check with your country's customs office to determine what these additional costs will be prior to buying.
(日本語訳:輸入関税、税金、手数料は商品価格や配送料に含まれていません。これらの費用は購入者の負担となります。購入前に各国の税関に確認してください。)
まとめ|自社に合ったDDU・DDPを選ぼう
DDUとDDPには、それぞれ明確なメリット・デメリットがあります。
初期:DDUで低リスク・低コスト運用
成長後:DDPで顧客体験(CX)を最適化し、購入率アップ
Shopifyの強みは、マーケット(国)ごとにこの設定を柔軟に変えられる点です。「まずはアメリカだけDDPに挑戦してみる」といったスモールスタートも可能です。
自社の成長フェーズとリソースに合わせて、最適な関税対応を選択し、越境ECを成功へとつなげましょう。