【越境EC事業者必見】この夏施行のEU、US 新制度

【越境EC事業者必見】この夏施行のEU、US 新制度 ー EU関税、EU返品ルール、US安全データの電子申告

2026年5月27日

2026年夏、欧州(EU)および米国(US)において、越境EC事業者や輸出企業に影響を与える3つの規制変更・法改正が相次いで施行されます。

対応を怠ると、巨額の罰金、通関の全面ストップ、サイトの販売停止といった深刻なペナルティを科されるリスクがあります。この記事では、各制度の内容と、今すぐ取るべき具体的な対策を紹介します。

1. EU / 6月:「Withdrawal button(撤回ボタン)」設置の義務化

【施行日:2026年6月19日】

内容

EUの消費者権利指令を改正する新ディレクティブ(Directive (EU) 2023/2673)に基づき、オンラインで契約(購入)された取引に対し、消費者がボタン一つで契約を解除できる「Withdrawal Button(撤回ボタン)」の設置が義務化されます。

対象となるのは、物販、デジタルコンテンツ、サブスクリプションなど、EUの法律で「14日間の法定撤回権」が認められているB2Cのオンライン取引すべてが対象です。この14日間はいわゆる「クーリングオフ期間」であり、消費者を守るためのものになります。EU域外(日本など)のECサイトであっても、EUの消費者に販売している場合は免れません。B2B販売については対象外となります。

厳格な設置ルール:

  • ボタンには 「ここで契約を撤回する(Withdraw from contract here)」 もしくはそれに準ずる明確な文言を記載すること(「キャンセル」や「問い合わせ」などの曖昧な表現は不可)。
  • ログインの有無に関わらず、14日間の撤回期間中に常に見やすく、アクセスしやすい場所(非表示エリアや深いメニューの奥はNG)に常駐させること。
    *「BUYボタン」と同じレベルで見つけやすく、使いやすい「ボタン」であることが求められます。
  • 手続きは「ボタンを押す」→「名前や注文番号の確認画面」→「確定ボタン」の2ステップで完結させること。

違反した場合、最大で年間売上高の4%または200万ユーロの罰金、あるいは撤回可能期間が14日間から「1年と14日間」へ強制延長されるリスクがあります。

対策方法

この制度に対応するためには、以下の2点の対応が必要となります。

  • EU居住者からのアクセス時(またはチェックアウト後)には、注文履歴ページやフッターなどから遷移できる2ステップの「撤回専用ボタン・フォーム」の設置
  • 消費者がボタンを押して撤回を完了した際、事業者側は撤回を受け付けた旨をメールなどで自動送信するシステムを構築

ただ、現時点(2026年5月)では、Shopify 側ではこのアップデートに対応可能な機能アップデートが行われておりません。EC運用者としては、Shopify 側でこの機能が近いうちに搭載されることを願うばかりですが、いつになるのかは現時点ではわかっておりません。そのため、現時点ではアプリの導入が必要となります。

おすすめアプリ:EU Withdrawal Button
無料プランあり

2. EU / 7月から:低価格貨物への一律関税の導入

【施行日:2026年7月1日】

内容

EU外からEUの個人へ発送される、150ユーロ未満の低額貨物に対する関税免除制度が廃止され、新たな暫定措置がスタートします。

150ユーロ未満のすべての低額貨物に対し、1品目(アイテムカテゴリー/HSコード)あたり3ユーロの固定関税が課されます。

これは、「1箱あたり3ユーロ」ではなく、例えば1つのパッケージの中に異なるカテゴリーの商品(例:シャツと靴)が入っている場合、それぞれに3ユーロが課され、計6ユーロの関税が発生します。

これは、越境ECによるEU外からの個人輸入の急増を受け、EU内のビジネスを守るために導入される制度です。昨年9月にUSのデミニミスが撤廃されたのと同じ流れと言えますね。

対策方法

これについては、Shopify のチェックアウトでの関税自動計算機能がこの制度変更を期日に反映するかどうかについては、現時点では公式な発表はされていません。情報が発表され次第、アップデートしてまいります。

ひとまず、出荷時に正しいHSコードや品目情報をデータ送信できるよう、各商品データを最新の状態に整理して準備を整えましょう!

3. US / 7月から:CPSC eFiling(電子申告)の義務化

【施行日:2026年7月8日】

内容

米国消費者製品安全委員会(CPSC)が規制する対象製品を米国に輸入する際、通関時に安全適合データを電子政府システム(ACE)を通じてリアルタイムに申告することが義務化されます。

対象となるのは、おもちゃ、ベビーカー、子供服などの「子供向け製品(12歳以下対象)」全般、および衣料品(燃えやすさの基準があるもの)、ヘルメット、自転車などの「一般消費財」とされています。

対象となる商品項目リスト:Regulations, Mandatory Standards and Bans

データの未提出や不一致がある場合、貨物は米国税関で即座に差し押さえや没収の対象となります。

対策方法

対象となる商品を販売している場合は、通関をスムーズにするため、CPSCの公式製品レジストリに事前に事業者アカウントを作成し、製品ごとの適合証明書(CPC/GCC)データを登録して「Reference ID(参照ID)」を取得しておくことが推奨されています。登録の反映には時間がかかるため、なるべく早めの対応を行いましょう。

4. まとめ

この夏に施行される日欧米の規制変更は、いずれも「システムの改修」や「事前データの用意」を伴います。EU、USでの販売を行っている事業者の方は、早めの対策を心がけましょう。

参考:

※法的な責任においては、弊社は一切おいかねます。あくまでも一般論として解説しておりますので、訴訟のケースや最終的な法的判断のご相談については法律の専門家へご相談ください。

Marina

Marina Fujihara

PM / Designer

Probably at the beach, if not working ;)