Shopifyアプリ「Advanced Shipping Rules」で実現する三温帯配送
Shopifyストアを運営する上で、送料設定は顧客体験と利益に直結する重要な要素です。 特に、冷蔵品や冷凍品、常温品など、異なる温度帯の商品を扱う場合、複雑な送料設定が必要になります。
この記事では、Shopifyアプリ「Advanced Shipping Rules」を活用した三温帯配送の実現方法について詳しく解説します。
目次
1:「Advanced Shipping Rules」とはどんなアプリなのか?
「Advanced Shipping Rules」は、Shopifyの標準機能では対応が難しい、複雑な配送ルールを柔軟に設定できるShopifyアプリです。
Bambri社によって開発され、商品グループ、重量、価格、配送先(郵便番号や地域)など、様々な条件に基づいて送料を細かくコントロールすることを可能にします。これにより、ストアオーナーは、顧客に正確な送料を提示し、配送に関するトラブルを減らすことができます。
「Advanced shipping Rules」は、下図のように、機能やボリューム別で4つの料金プランが設定されており、一番ミニマムなプランでは月額9ドルで使用することが出来ます。
画像引用: Advanced Shipping Rules
テストモードであれば、いずれのプランでも無制限のトライアルが可能です。
また、各プランについても、ライブモードへ移行した場合に7日間の無料トライアルや試用が用意されています。
そのため、まずはご自身のECでどのような設定を行いたいのか、
それをどのプランで実現できるのか、
また費用対効果はどうなのかなど、じっくりご検討いただければと思います。
2:「Advanced Shipping Rules」でできることは?
「Advanced Shipping Rules」は、多岐にわたる配送設定を可能にします。主な機能は以下の通りです。
商品グループごとの送料設定: 特定の商品や商品グループ(例:冷蔵品、冷凍品、常温品)に対して異なる送料を設定できます。
詳細な条件に基づく送料設定: 商品の重量、価格、数量、SKU、商品タグなど、複数の条件を組み合わせて送料を決定できます。
配送方法の制限: 特定の商品を特定の地域に配送不可にしたり、特定の配送方法(例:クール便)のみを適用したりできます。
地域・郵便番号ごとの送料設定: 市区町村や郵便番号に基づいて、ローカルデリバリーや特定の地域への送料を細かく設定できます。(Proプラン以上で利用可能)
ブレンドレート(同梱送料)の設定: 異なる商品グループの商品が同時に購入された場合に、送料を合算したり、最も高い送料を適用したりするなど、柔軟な同梱送料ルールを設定できます。
送料無料設定の柔軟な制御: 特定の条件(例:購入金額が〇〇円以上、特定の商品を含む場合)で送料無料を適用したり、一部の商品を送料無料の対象外にしたりできます。
配送オプションのカスタマイズ: 配送オプションのタイトルを自由に編集したり、特定の配送レートを非表示にしたりできます。
3:「Advanced Shipping Rules」の三温帯配送の設定の仕方

「Advanced Shipping Rules」を使って三温帯配送(常温、冷蔵、冷凍)を設定するには、主に「商品グループ」と「ブレンドレート」の機能を活用します。
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商品グループの作成:
まず、商品ごとに「常温品」「冷蔵品」「冷凍品」といった商品タグを設定するか、SKUなどで識別できるようにします。
「Advanced Shipping Rules」アプリ内で、これらのタグやSKUに基づいて「常温品グループ」「冷蔵品グループ」「冷凍品グループ」といった商品グループを作成します。
各商品グループに、それぞれの温度帯に対応した送料ルール(例:冷蔵品はクール便料金、冷凍品は冷凍便料金)を設定します。
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配送ゾーンとレートの設定:
Shopifyの配送設定で、配送先の地域に応じた配送ゾーンを設定します。
各配送ゾーン内で、「Advanced Shipping Rules」をキャリア計算レートとして追加し、アプリ内で設定した送料ルールが適用されるようにします。
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ブレンドレートの設定(同梱送料の調整):
三温帯配送の肝となるのが、異なる温度帯の商品が同時に購入された場合の送料設定です。
例えば、「常温品と冷蔵品」が購入された場合、冷蔵便で同梱可能であれば冷蔵便の送料のみを適用する、あるいは個別に送料を合算するといったルールを設定します。
「Advanced Shipping Rules」のブレンドレート機能を使って、「常温品グループ」と「冷蔵品グループ」が同時にカートに入った場合の送料、または「常温品グループ」「冷蔵品グループ」「冷凍品グループ」全てがカートに入った場合の送料など、様々な組み合わせに応じた送料ルールを定義します。
これにより、「冷蔵品と冷凍品は同梱不可のため、それぞれに送料がかかる」「冷蔵品と常温品は同梱可能で、冷蔵便の送料のみ適用される」といった複雑なロジックを実現できます。
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テストと確認:
設定が完了したら、必ずテスト注文を行い、意図した通りの送料が計算されるかを確認します。異なる温度帯の商品を組み合わせたり、配送先を変えたりして、様々なパターンでテストすることが重要です。
4:まとめ
「Advanced shipping Rules」は、Shopifyの標準機能では実現が難しく、複雑な送料設定を可能にする強力なアプリです。 特に、三温帯配送のように、商品の特性に応じた柔軟な配送ルールが必要なECサイトにとって、このアプリは決められたツールになります商品グループ、ブレンドレート、詳細な条件設定を行うことで、顧客に正確な価格を提示し、スムーズな購入体験を提供することができます。これにより、カゴ落ちの防止や顧客満足度の向上にも、ストアの売上拡大に貢献します。